...さあらぬ素振(そぶり)神々(かうがう)しく...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...幸子もさあらぬ体で云い...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私はさあらぬ体(てい)を装って...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...さあらぬようにいった...
近松秋江 「うつり香」
...さあらぬ体で尋ねかけた...
豊島与志雄 「林檎」
...さあらぬ体(てい)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...さあらぬ体(てい)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...ポロシャツの方はさあらぬ顔をして靴を脱いでいた...
堀辰雄 「晩夏」
...「ナニ、平馬が、酔うた――珍しいこともあるものだな?」と、老人はいったが、急にあけっぱなしに笑って、「いやそうでもあるまい――大方お客がお客ゆえ、わざと、この座をはずしたのであろう――胸の小さな男だな」そう呟くと、雪之丞に、鋭い視線をちらと送って、「のう、太夫、うけたまわれば、そなたは舞台の芸ばかりではないそうじゃの? ――と、いうことも漏れ聴いたが――」雪之丞は、さては平馬が、すでに何か耳に入れたな――と、悟ったが、さあらぬ体で、「と、おおせられますと?」と、ほほえましく、「舞台の芸さえ未熟もの――その外に何の道を、習い覚えるひまとて、あるはずがござりませぬ」「いやいや、そなた、武士の表芸にも、練達のものと聴いた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...さあらぬていに装っていたからである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...曹操は、刃を納めるいとまもなく、ぎょッとしたが、さあらぬ顔して、「はっ、近頃それがしが、稀代の名刀を手に入れましたので、お気に召したら、献上したいと思って、佩(は)いて参りました...
吉川英治 「三国志」
...ご辺がさあらぬ顔して...
吉川英治 「三国志」
...さあらぬ態(てい)に見えたろうが...
吉川英治 「私本太平記」
...さあらぬ顔で老母の姿へ言っていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...さあらぬ顔つきで...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一同は、さあらぬ顔で、「いえ、べつだん何をしているということもございません」「黄昏(たそがれ)ではないか」「はい」「禅房のお掃除もある」「やります」素直に、若い弟子たちは、散らかって行った...
吉川英治 「親鸞」
...さあらぬ艶めきがほのめかされている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...だが、さあらぬ顔して、「おう、先日は」「いや過日は失礼を」あわてて挨拶をし直したその礼儀ぶりが、いやに叮嚀である...
吉川英治 「宮本武蔵」
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