...「なんにもいただけないんでしょうね」「ソップと重湯(おもゆ)だけですが両方ともよく食べなさいます」「ひもじがっておりますか」「いゝえそんなでも」もう許せないと葉子は思い入って腹を立てた...
有島武郎 「或る女」
...* * *どうしても気の許せないようなところのある男だった...
有島武郎 「星座」
...僕ひとりが決めていいのだ」「それは許せない...
海野十三 「大脳手術」
...まだまだこの機械人間に気は許せないという様子であった...
海野十三 「超人間X号」
...百成は激しい口調で、「いや、あれは許せない...
高見順 「いやな感じ」
...君が許せないと感じたものを白状して御覧...
太宰治 「虚構の春」
...□酒好きが酒そのものに執することに罪はない、笑つて許せる、しかし酒をのむ方法手段が卑しくなるのは彼といふ人間の堕落だ、断じて許せない...
種田山頭火 「其中日記」
...何れかが特に優先権を有つ事は形式的出発としては許せないから...
戸坂潤 「科学方法論」
...何故なら吾々はどのような意味であろうと活力という要因を整合的には許せないから...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...まあそれでも、本家の徳川にまだ脈があったから、尾張だけが腑抜けになっても、亡びはしなかったがね――もうそれからは、ぬけ殻のようなものさ……この辺まで道庵にたわごとを述べさせていた聴衆も、「ぬけ殻のようなものさ」と言われた時に憤然として、もう許せない、という色が現われました...
中里介山 「大菩薩峠」
...及び新たに加わった一行の空気と相触れることはお銀様としては絶対に許せない...
中里介山 「大菩薩峠」
...伊太夫の富といえども必ずしも気は許せない...
中里介山 「大菩薩峠」
...直次郎も許せない奴だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの荒唐無稽ぶりは私は許せないと思います...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...「許せないのなら別れるより仕方がないよ...
林芙美子 「帯広まで」
...自分が許せない」第五十六章 発見スライトとウォルターズが家を出たとき...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...只では許せないとあって...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...おいちの戻ることは許せない」そうしてさらに低く...
山本周五郎 「つばくろ」
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