...荷を積み重ねた赤い自動車がその鼻先を行く...
石川啄木 「詩」
...一丁程先を行く貞之助と悦子の後影に眼を遣(や)りながら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「早く!」と先を行く男が叫ぶ...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...時勢から二歩も三歩も先を行く開化の先覚者...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...餌にかかる豹(ひょう)そのままな腰を見せて、先を行く背へ、白刃(しらは)の一颯(さつ)をふくみかける...
吉川英治 「私本太平記」
...彼が、大声して、手を振ったので、先を行く輿は、「何者?」と、止まったが、同時に、それを守る七名ばかりの郎党は、怪しみの眼をそろえて、長巻刀(ながまき)を向けたり、弓に矢をつがえかけたりした...
吉川英治 「日本名婦伝」
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