...木訥仁に近き男也...
大町桂月 「常磐の山水」
...訥子は塩鮭の肉汁(スウプ)の外(ほか)に今一つ年の寄らぬ法を知つてゐる...
薄田泣菫 「茶話」
...「口重く舌重き」ひどい訥弁(とつべん)で懸命に説いて廻ってかえって皆に迷惑がられ...
太宰治 「風の便り」
...彼女モ訥升ガ好キナノデハアロウガ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...ランニングシャツにパンツ姿の樸訥(ぼくとつ)な後姿に...
富田常雄 「刺青」
...ドイツではだれももっていてかえって邪魔となりやすい開放的な朴訥(ぼくとつ)さを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この座の座頭は沢村訥升(とつしょう)...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...あとから聞くと訥升が贔屓(ひいき)だったという話であるから驚ろく...
夏目漱石 「明治座の所感を虚子君に問れて」
...朴訥(ぼくとつ)そのものの姿を見るやうな人達ばかりでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この朴訥すぎる顔を忘れるわけがない...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...訥々(とつとつ)とした語調で...
火野葦平 「花と龍」
...宮戸座で上場する歌舞伎狂言は、すべてが絢爛たる都心の大劇場では最早一顧だにされなくなつてしまつた旧弊古風のもの許りで、俳優も亦訥子、源之助、勘五郎、芳三郎、芝鶴、菊四郎、工左衛門、寿朝等、いづれも練達巧緻の技量を有しながら兎角に志を得ない轗軻不遇の人々許り...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...訥子の「実録仙台萩」の浅岡...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...ところで先代訥子はその後十年以上も遺憾なく猛優振りを発揮して各劇場に嘖々の好評を博してゐたが...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...銀色の山羊鬚(やぎひげ)の生えた朴訥な風貌だが...
山川方夫 「博士の目」
...こういう青年は純真であり朴訥(ぼくとつ)であり...
山本周五郎 「季節のない街」
...ただ見ていて下さればようございます」酔うと朴訥(ぼくとつ)な調子で...
山本周五郎 「山彦乙女」
...主人夫婦は朴訥(ぼくとつ)な老人で去年和田垣博士と知つて以来大の日本贔屓(びいき)に成つて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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