...」と木訥(ぼくとつ)の口調で懸命になぐさめ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...朴訥(ぼくとつ)そうな四十五...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...先生の説くところは極めて平明で疑ひを容れる余地もなく、加之(しかのみならず)、同じ言説を、幾度となく繰り返されるので、流石の陸軍当局も、先生の欺かざる熱意と根気と、終りなき訥弁に、たうとうしびれを切らして、帝大の主旨を諒とするに至つたのださうである...
辰野隆 「浜尾新先生」
...訥升ガ揚巻ヲスルト云ウノデ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...訥升ノ揚巻ハ十分満足シタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...訥升ハ今日モ綺麗デアッタガ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...召使いの僕婢(おとこおんな)も言(こと)に訥(おそ)きはいつか退けられて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...時々仄(ほの)見える朴訥(ぼくとつ)な身振り...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...然るに寄附金の募集者に至っては救世軍の大道演舌もよろしく田舎訛の訥弁を振って容易に去らず...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...兎(と)にも角(かく)にも御披露申上げたいと思うのであります」訥々(とつとつ)たる調子ですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...訥々(とつとつ)と自己紹介をするのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...宮戸座で上場する歌舞伎狂言は、すべてが絢爛たる都心の大劇場では最早一顧だにされなくなつてしまつた旧弊古風のもの許りで、俳優も亦訥子、源之助、勘五郎、芳三郎、芝鶴、菊四郎、工左衛門、寿朝等、いづれも練達巧緻の技量を有しながら兎角に志を得ない轗軻不遇の人々許り...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...訥子またその息先代宗之助の縁故に拠つて帝国劇場へ一再ならず出演してゐる...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...翌日はもう彼の雄弁までも訥弁(とつべん)にしてしまう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...正直朴訥(ぼくとつ)の善人であったが...
柳田国男 「雪国の春」
...この朴訥(ぼくとつ)な爺やが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...この二古老の訛(なま)りはもっと純粋朴訥(ぼくとつ)で分かりにくい...
吉川英治 「随筆 新平家」
...斎藤塾や大橋訥庵(とつあん)の家などで...
吉川英治 「松のや露八」
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