...いささかの理由(りゆう)をもって親里(おやざと)へ帰した...
伊藤左千夫 「告げ人」
...自分の子でさえ親の心の通りならないで不幸者となり女の子が年頃になって人の家に行き其の夫に親しくして親里を忘れる...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
...今日(けふ)は親里(おやざと)へ行(ゆか)んとおもふ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...老姨(ばあや)をつけて親里へ送らしたが...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「珊瑚」
...山の上から遠くの溪の底に親里の團欒の灯を眺めて胸を搾る如(やう)に懷しがるのも無理はない...
近松秋江 「箱根の山々」
...わづか一里にも足らぬ山の上に來てゐながら親里が死ぬほど戀しいのである...
近松秋江 「箱根の山々」
...一先(ひとま)ずわが親里の知人(しりびと)をたより其処(そこ)まで落延びてから心安く未来の冥加(みょうが)を祈り...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...あれが内実はお手がついたとかつかんとかで親里帰り...
中里介山 「大菩薩峠」
...又我親里の能(よき)ことを誇て讃(ほめ)語るべからず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...又親里の事を誇りて讃め語る可らずとは念入りたる注意なり...
福沢諭吉 「女大学評論」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...浪花を出てより親里までの道行にて引道具の狂言座元夜半亭と御笑ひ可被下(くださるべく)候...
正岡子規 「俳人蕪村」
...結婚の準備のために親里へ歸つて來た...
正宗白鳥 「玉の輿」
...その千住の親里に帰ったのは...
森鴎外 「細木香以」
...妻の親里(おやざと)に行き通(かよ)うということはないのだが...
柳田国男 「海上の道」
...嫁はしばしば親里へ行きて帰り来ざることあり...
柳田国男 「遠野物語」
...昼過(ひるす)ぎより笛吹峠を越えて妻を連れに親里へ行きたり...
柳田国男 「遠野物語」
...二月九日は嫁が親里(おやざと)へ還って...
柳田国男 「年中行事覚書」
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