...あはれ我最愛の妻も家に籠りて齋戒(ものいみ)するよとおもふならん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...二階の一室(ひとま)に籠りツ切(きり)...
泉鏡花 「印度更紗」
...これが半之丞が五ヶ年の山籠りを懸けて作り上げた秘作機械だった...
海野十三 「くろがね天狗」
...ま、あのくらゐな音は何でもないかも知れないけれども、深夜、一室に閉ぢ籠り、カタリと云ふ物音もしない中で、静かに想を練り筆を運ぶ者に取つては、実にあれだけの些細な音でも異様に耳につくのである...
谷崎潤一郎 「文房具漫談」
...それまで引籠りを仰(おお)せつけられて幕府から勘当を受けていたような有様でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この山の奥に冬籠りをすべく逗留(とうりゅう)している客のうちの一人か――そうだろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...女は人無きところに籠り...
中里介山 「大菩薩峠」
...冬籠りに必要な品々を頒(わ)け合ふ時になつて...
中島敦 「狐憑」
...蛸壺に籠りてある時...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...この景勝の籠り堂が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...寺男二人と共に庵内に籠り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...父母そろひて家の内に籠り居にても濟むべき娘が...
樋口一葉 「ゆく雲」
...人々は冬籠りの面白さを増さすために...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...叔母は薄汚い宿屋に引き籠り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...すなわち冬籠りする門の戸を押し開いて...
柳田国男 「雪国の春」
...山に籠り秀吉に説かれて...
吉川英治 「黒田如水」
...自身が代って修法の室に籠り...
吉川英治 「三国志」
...「きょうも終日、お引き籠りで、人を通すなと、かたく仰せられて、臥(ふ)せっておられますので」「では、御近習(ごきんじゅ)を、呼んでほしい」と、伝右衛門は、ほかの者に会って、容体をたずねた...
吉川英治 「新書太閤記」
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