...さも重大らしく勝手気ままな事を親切ごかしにしゃべり散らすのを聞かされた時...   
有島武郎  「或る女」 
...ややともすれば親切ごかしに無いものまでせびり取ろうとする手合いが多いのだ...   
有島武郎  「或る女」 
...親切ごかしに僕自身の手でこ奴をチッキにつけたんだよ...   
大阪圭吉  「花束の虫」 
...そこに現われる親切ごかしの道徳振りは...   
戸坂潤  「世界の一環としての日本」 
...此もとより風聞に過ぎず然れども世間には往々親切ごかし御為ごかしに此の類の挙を敢てし却って死者の名を辱むるもの多し...   
永井荷風  「偏奇館漫録」 
...親切ごかしの野次馬に荒されて...   
野村胡堂  「銭形平次捕物控」 
...「何も彼も見拔いても、多賀屋勘兵衞の惡企(わるだく)みだけは見拔けなかつたぢやないか」「何?」「言つてやらう、――その多賀屋勘兵衞は、今から十年前、死にかけてゐる俺の父親を騙(だま)し、親切ごかしに、仲屋の身上を皆んな取上げてしまつた大惡黨だ」「嘘だ」勘兵衞は不意に呶鳴(どな)りました...   
野村胡堂  「錢形平次捕物控」 
...親切ごかし! やきもちやき!」私はそんな途方もない夢にうなされた...   
牧野信一  「熱い風」 
...」「然し飛(とん)だ親切ごかしが思はぬ結果になつて少々寂しいぞ...   
牧野信一  「女に臆病な男」 
...玄吉にかまつた方が多少でも見物の注意を引くので親切ごかしに彼をなだめた...   
牧野信一  「蔭ひなた」 
...その「親切ごかし」なる渾名(あだな)に依ったものに違いなかった...   
牧野信一  「鬼涙村」 
...親切ごかしや障子の穴の猿共がぽんぽんと手玉にとられて宙に跳上るところを見たら...   
牧野信一  「鬼涙村」 
...君がさつきからあまり親切ごかしに責めたてるので...   
牧野信一  「蝉」 
...」と親切ごかしの讚同をした...   
牧野信一  「父の百ヶ日前後」 
...好意か悪意か親切ごかしにあんなものを買って来てくれて僕を玩弄物(おもちゃ)にしたのです」妻君「道理で上包(うわづつみ)の拵(こしら)えからおかしゅうございましたよ...   
村井弦斎  「食道楽」 
...どこかへ親切ごかしに誘拐するつもりで出した手紙かも知れないね...   
夢野久作  「継子」 
...親切ごかしに人の娘を弄(もてあそ)んで...   
吉川英治  「新・水滸伝」 
...親切ごかしの、屁(へ)ッたくれ商人(あきんど)め...   
吉川英治  「新・水滸伝」 
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