...さも重大らしく勝手気ままな事を親切ごかしにしゃべり散らすのを聞かされた時...
有島武郎 「或る女」
...ややともすれば親切ごかしに無いものまでせびり取ろうとする手合いが多いのだ...
有島武郎 「或る女」
...親切ごかしに僕自身の手でこ奴をチッキにつけたんだよ...
大阪圭吉 「花束の虫」
...そこに現われる親切ごかしの道徳振りは...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...親切ごかしの野次馬に荒されて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...親切ごかしの彌次馬に荒されて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「何も彼も見拔いても、多賀屋勘兵衞の惡企(わるだく)みだけは見拔けなかつたぢやないか」「何?」「言つてやらう、――その多賀屋勘兵衞は、今から十年前、死にかけてゐる俺の父親を騙(だま)し、親切ごかしに、仲屋の身上を皆んな取上げてしまつた大惡黨だ」「嘘だ」勘兵衞は不意に呶鳴(どな)りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親切ごかし! やきもちやき!」私はそんな途方もない夢にうなされた...
牧野信一 「熱い風」
...その「親切ごかし」なる渾名(あだな)に依ったものに違いなかった...
牧野信一 「鬼涙村」
...親切ごかしや障子の穴の猿どもがぽんぽんと手玉にとられて宙に跳上(はねあが)るところを見たら...
牧野信一 「鬼涙村」
...その「親切ごかし」なる仇名に依つたものに違ひなかつた...
牧野信一 「鬼涙村」
...親切ごかしや障子の穴の猿共がぽんぽんと手玉にとられて宙に跳上るところを見たら...
牧野信一 「鬼涙村」
...君がさつきからあまり親切ごかしに責めたてるので...
牧野信一 「蝉」
...」と親切ごかしの讚同をした...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...殆んど常識では考へられない程の突変(ママ)した見幕である)香代 (あつけに取られて)……なにさあ! どうしたんですよ?留吉 どうしたと? 人を、人を、親切ごかしに、たらし込もうとしやあがつても、その手に乗るかつ! ばいため! 人の金を――!香代 ……金? それ、金なの?留吉 (うつかり自分から金の事を言つたのに自分で周章てゝ、自分の口も香代の口も一緒にして塞いでしまひたい衝動で、両手を突出して宙に振る)えゝい! 言ふなつ! 金ぢや無いつてば! 言ふなつ! 金ぢや無いつ! もう何も言ふなつ!香代 お前さん、それ、何の真似なの?(近づいて来る列車の響)留吉 何の真似だらうと、大きなお世話だつ! 人に水を飲ませたりして、親切さうにしやあがつて――(ゼイゼイ肩で息をしつゝ線路の上に立ちはだかつてゐるが、弱つた身体が昂奮のために今にも倒れさうだ)香代 ……(あまりの言ひがかりに、怒る前に苦笑)水だつて? フン、さう、水か...
三好十郎 「地熱」
...親切ごかしに胴巻を撫(な)で探っていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...親切ごかしに人の娘を弄(もてあそ)んで...
吉川英治 「新・水滸伝」
...親切ごかしの、屁(へ)ッたくれ商人(あきんど)め...
吉川英治 「新・水滸伝」
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