...これからエミルが聞かうとする質問を見越して...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...見越しの松に板塀(いたべい)の小ざっぱりした造りの二階家が三四軒並んでいるうちの一軒で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...行く先々で、その時はまるで荷厄介のように思って、惜げもなく知った人にくれたり、棄値(すてね)で売ったり又は著崩(きくず)したりして、何一つ身につくもののなかったお島は、少しばかり纏(まと)まった収入の当がつくと、それを見越して、月島にいる頃から知っていた呉服屋で、小野田が目をまわすような派手なものを取って来て、それを自分に仕立てて、男をも着飾らせ、自分にも着けたりした...
徳田秋声 「あらくれ」
...硝子窓(がらすまど)から形ばかり埒(らち)を結った自然のまゝの小庭(こにわ)や甘藍畑を見越して...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...炉辺に人が集まった時を見越して...
中里介山 「大菩薩峠」
...物があってその物を説明するために定義を作るとなると勢いその物の変化を見越してその意味を含ましたものでなければいわゆる杓子定規(しゃくしじょうぎ)とかでいっこう気の利(き)かない定義になってしまいます...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...御用だぞッ」張子の見越しの入道を引っくり返すと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...誂(あつら)へたやうな見越しの松...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ハリスはチャンと見越していたはずである...
服部之総 「明治の五十銭銀貨」
...この位のことは大丈夫と見越して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...今となっては対決せざるを得ないし、それを見越し、度胸を据えた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...生節(なまぶし)の冠木を見越しの雑裁(うえごみ)の林(こずえ)を深く(中略)春は塀外の桜...
正岡容 「巣鴨菊」
...近いうちに日支関係が緊張するのを見越して...
夢野久作 「焦点を合せる」
...觀光客の激増を見越して...
吉川英治 「折々の記」
...明日の仕事を見越し...
吉川英治 「醤油仏」
...宋江軍(そうこうぐん)の総退陣を見越して...
吉川英治 「新・水滸伝」
...見越しへ手をのばしてヒラリと跳(は)ね越え...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...つまり最初から結果を見越して...
吉川英治 「源頼朝」
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