...かく見定めて、客は媼に手を吸はせ、わが頬を撫で、再びあすの事を契りおきて、茂れる蔦かづらの間をすべりおりぬ...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...遂には何処まで延びているのか見定めもつかない...
伊藤野枝 「転機」
...新聞紙に広告してゐないかをよく見定めておいて...
薄田泣菫 「茶話」
...警備の者が一人もいないことを見定めていた――松金の塀はあの事件以来今だに人...
戸田豊子 「鋳物工場」
...何かを見定めようとしても...
豊島与志雄 「反抗」
...荷車や人の往來(ゆきゝ)も一歩々々途絶え勝(が)ちになることが能く見定められる...
永井荷風 「或夜」
...しかし走交(はせちが)う群集に遮(さえぎ)られて実は何の事件(こと)やら一向に見定める事が出来なかったのである...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...その面立(おもだ)ちを見定めなければ立去れないことがある...
中里介山 「大菩薩峠」
...眼の前を通る舟の中を見定めてしまうことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...社交團正倉院の曝凉は途中で雨が降りだすと追ひ出されて拜觀劵がそれきり無效になるので天氣を見定めて出かけねばならなかつた...
野上豐一郎 「奈良二題」
...その辛棒を見定めた上で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...弥惣が唐櫃の蓋に首を挟まれたのを見定めて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その性根を主人はよく見定めてゐる...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それを見定めて歸りや宜いんだから」「へエー」平次の命令は行屆きますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...確(しか)とは見定めもつかなかったが...
牧野信一 「鬼涙村」
...容易に見定めがつかなかつたが滝尾が順々に注意して見ると...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...とうとうなんだか見定めの附かない物になつて...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...警戒のないのを見定めてから蔦蔓(つたかずら)の一パイに茂り絡んだ煉瓦塀をヒラリと飛越えた...
夢野久作 「女坑主」
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