...「どうしてこんなに早かったの」彼女は彼の顔色を見定めて言った...
魯迅 井上紅梅訳 「端午節」
...室内をどうやら見定めることができるようになった...
海野十三 「ふしぎ国探検」
...遠近が見定めにくいところに...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼はその顔を見定める間もなく...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...ずっと深い所に時々大きな魚だか蝦(えび)だか不思議な形をした物の影が見えるがなんだとも見定めのつかないうちに消えてしまう...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...社交團正倉院の曝凉は途中で雨が降りだすと追ひ出されて拜觀劵がそれきり無效になるので天氣を見定めて出かけねばならなかつた...
野上豐一郎 「奈良二題」
...店の中に誰も居ないのを見定めると...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...キッと女房の下手人の顔を見定めてやるから――と」「少しも面白くはありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その辛棒を見定めた上で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...突き落された本人さへ相手の見定めが付かなかつた位だから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...亥刻(よつ)(十時)の鐘が鳴りはじめると一緒に、源左衛門が出かけたから、それを見定めて、そっと蔵の蔭に廻り、あっしに逢いに来たというんで」八五郎は肩を縮(すく)めた様子です、またも逢引らしい心持を思い出したのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...容易に太子の正体を見定めることが出来ない程度だった」とバラッス子爵が証言しているが...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...一体何方を向いてゐるのか見定め憎かつた...
牧野信一 「南風譜」
...正しき問い方をなさないものは決勝点を見定めておかないで...
三木清 「語られざる哲学」
...フィンクはその影がどこへ落ち着くか見定めようと...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...意外な嵐に敵も味方も見定めがつかず...
吉川英治 「剣難女難」
...まず気象を見定めておくことは将の肚(はら)として重要である...
吉川英治 「新書太閤記」
...見定めがつくまいと考え...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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