...きょとんと見上げる...
泉鏡花 「婦系図」
...『見上げると、空は美事に晴れて、危い様子は少しも見えない...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...そっと入口から見上げると...
梅崎春生 「狂い凧」
...いきなり僕が頭を出している二階を見上げるとヒラヒラと右手をあげてうちふった...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...足音に驚いて見上げる賊と...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...名探偵を見上げる様にしていった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...リリーは後脚で立ち上って小判型のチャブ台の縁(ふち)に前脚をかけ、皿の上の肴をじっと睨(にら)まえている恰好(かっこう)は、バアのお客がカウンターに倚(よ)りかかっているようでもあり、ノートルダムの怪獣のようでもあるのだが、いよいよ餌(えさ)が摘まみ上げられると、急に鼻をヒクヒクさせ、大きな、悧巧(りこう)そうな眼を、まるで人間がびっくりした時のようにまん円く開いて、下から見上げる...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...そこで社殿の背後を見上げるとかの護摩壇の森...
中里介山 「大菩薩峠」
...小屋を出て河原の町の方を見上げると...
中里介山 「大菩薩峠」
...「――」驚いて見上げる平次とガラツ八の頭上へ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...時鳥が鳴いた空をちよいと見上げるところがあるが...
長谷川時雨 「初かつを」
...さあ皆さん御きげんよう……何年ぶりかで見上げる夜空の寒いこと...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...見上げる樹木もおおかた中空で削(そ)ぎとられており...
原民喜 「夏の花」
...見上げるような高い波が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...いつも其小さい硝子窓から見上げるやうにすると逞しい男らの黝ずんだ姿が...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...お父様とお母様の顔を見上げる事も出来ないままに...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...微行頭巾の姿を見上げるや否...
吉川英治 「剣難女難」
...バルジェは熱に浮かされたように時計を見上げる...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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