...見上げると山は私の頭の上にもそびえて...
芥川龍之介 「日光小品」
...夕闇は次第に空を低くして、見上げると、門の屋根が、斜につき出した甍(いらか)の先に、重たくうす暗い雲を支えている...
芥川龍之介 「羅生門」
...見上げるような大きな水の堆積(たいせき)が...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...上を見上げると、煙突(えんとつ)の内側のようになって、まだ五六メートルの空間が少年たちの頭上にあった...
海野十三 「時計屋敷の秘密」
...「それは一体どうしたというのです」見上げると...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...ほれぼれと見上げる...
太宰治 「花火」
...その見上げるような樅が四方八方から白い毛だらけの猿臂を私めがけて伸ばしていると...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...見上げるような高い塀の上から...
中里介山 「大菩薩峠」
...小学校の高い石の段々を見上げる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...イブニユー・イブイブは今も彼が見上げる空の一角を横切つてゆくやうだ...
原民喜 「火の唇」
...その見上げるように高い暗闇の中から...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...見上げるような大男の剣帯をギュッとひっ掴んだ...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...縁側(えんがわ)から見上げると...
堀辰雄 「美しい村」
...むくむくと胸の血潮が高まり思はず空を見上げると...
牧野信一 「円卓子での話」
...三斎隠居の顔を見上げるのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...驚いて見上げる私を蓮葉(はすっぱ)に眼で笑ってそのまま清ちゃんの姉さんと手を引き合って人々の後を追って行った...
水上滝太郎 「山の手の子」
...そして本物の猫も不思議そうに籠を見上げるくらいである...
室生犀星 「懸巣」
...こういいながら馬上を見上げると...
吉川英治 「神州天馬侠」
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