...見る影もなく病み耄(ほう)けていたが...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...今では見る影もなく衰微したいわば灰色がかった街道をボツボツと歩いて来た私にとって...
石川欣一 「山を思う」
...もう暗い冬の日光(ひかげ)の照りやんだ暮れ方だからまだしもだとはいいながら今さらにお宮の姿が見る影もなくって...
近松秋江 「うつり香」
...見る影もなくなった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それから打身のために見る影もなくなった彼女の顔を眺めました...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...見る影もなく歪(ゆが)みます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見る影もなく住み荒らした長屋ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見る影もなくなつて居る上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見る影もなく萎(しな)びておりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...溝口屋の裏に住んで見る影もなく生きてゐる馬吉だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見る影もなくやつれ果てて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...四十前後の見る影もなく世帯疲れのした母親と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見る影もなく年を取つた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見る影もなく痩せほそって今年の五月十七日に影のようになって死んでしまった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...見る影もなく痩せほそって寝ている……」顎十郎は...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...故に中世より戦国の頃にかけては数学は見る影もなく衰えて...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...みずから塩垢離取らせて御祈りありしその神社を見る影もなく滅却し...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...明石の君は自分の子も兄弟でいながら見る影もなく扱われていると悲しかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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