...じつはころあいのうちが見つかったもんですからな」西田の声がして家のなかの空気は見るまに変(か)わってしまった...
伊藤左千夫 「老獣医」
...さるぐつわをとり、足のなわをほどき、見るまに、からだぜんぶが、自由になってしまいました...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...大波(おおなみ)は見るまに...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...見るまにまた銀ごしらえの脇差を追い抜いてしまいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのまま橋の欄干近くへ持って行くと見るまに...
中里介山 「大菩薩峠」
...見るまに場内が人を以て埋(うず)まってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...見るまに素裸の形となってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...見るまに食べてしまった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...りゅうもまた見るまに血まみれになり...
山本周五郎 「さぶ」
...矢代も甲板に立って香取の姿が煙を流し見るまに港の外へ消えて行くのを眺めていたが...
横光利一 「旅愁」
...見るまに変ってゆく遊部の馬鹿にした表情を見詰め...
横光利一 「旅愁」
...見るまに真っ黒な大集団を霧の中に肥らせてくるばかりだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...飛馬は見るまに渓谷(けいこく)へ駈けおりて...
吉川英治 「三国志」
...矢は見るまに、めいめいの袖(そで)や裾(すそ)にも二、三本ずつ刺(さ)さってきた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...見るまに波の距離がひろがってゆく...
吉川英治 「親鸞」
...それは見るまに、官衙の廂(ひさし)から廂へ、大きな焔の波濤をなし、常陸勢は、たちまち混乱に陥ちてしまった...
吉川英治 「平の将門」
...黒い液体が、眉間(みけん)から青白いその顔へ、見るまに、いくすじも流れだしている...
吉川英治 「野槌の百」
...主水の顔は、見るまに、まっ蒼になって、「? ……」ごくと、生唾(なまつば)を嚥(の)んだまま、その妙な、小さな物体に、驚きの目を奪(と)られてしまった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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