...陰欝(いんうつ)な空気が見るまにうすらぐような気がした...
伊藤左千夫 「老獣医」
...見るまにだんだん大きくなり...
江戸川乱歩 「赤いカブトムシ」
...それが見るまに大きくなり...
寺田寅彦 「春六題」
...見るまにそれが輝かしい光線となって...
豊島与志雄 「丘の上」
...日記帳は見るまに脹れて来た...
原民喜 「焚いてしまふ」
...「四十糎砲が二十四門、三十六糎砲が百三十六門、――この百六十門の重砲がうち出したら、『陸奥』も『金剛』も、見るまに、ぶくぶくと沈没だ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...そこの大戸があくよと見るまに...
吉川英治 「江戸三国志」
...飛馬は見るまに渓谷(けいこく)へ駈けおりて...
吉川英治 「三国志」
...見るまにそこへ壇(だん)をきずかせ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ひらりと駒(こま)におどった武装(ぶそう)の少女は一鞭(ひとむち)あてるよと見るまに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あれよと見るまに有明けの月のかげをかすめて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...見るまに、無数の死体が、火焔の下に捨て去られた...
吉川英治 「新書太閤記」
...清々(すがすが)しい空席が見るまに殖(ふ)えた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...見るまに、二箇の死骸から血しおが蚯蚓(みみず)のように河原を走って、加茂川へひろがった、草も石もみな赤く染めるかと思うほどひろがって行った...
吉川英治 「親鸞」
...自分の顔が見るまに四斗樽のように腫(は)れたかと思う...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「おいらじゃないんだぜ、お通さん、お通さんを抱いているのは、お師匠さまなんだよ」城太郎がそう繰返すと、お通は遠くを見ている眸に、湯のような涙をいっぱいにたぎらせ、見るまに、その眼は、ぎやまん玉の曇りにも似て、やがて頬を下るふたすじの白珠とはふりこぼれると、(……分っています)と、いうように頷(うなず)いた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...見るまに、粘土質の竈肌(かまはだ)は、赤土のように熱し出して、武士たちは、煙に咽(む)せた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...名も知らぬ雑草が、ぐんぐんと伸びて、パッと尨大な深紅の花が咲く、と見るまに、ぽとりぽとりと血の滴るように葩(はなびら)が散って仕舞う、或は、奇岩怪石の数奇を凝らした庭園の中を、自分が蜻蛉(とんぼ)のようにすいすいと飛んでいる...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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