...じつはころあいのうちが見つかったもんですからな」西田の声がして家のなかの空気は見るまに変(か)わってしまった...
伊藤左千夫 「老獣医」
...さるぐつわをとり、足のなわをほどき、見るまに、からだぜんぶが、自由になってしまいました...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...目のまえの鉄筋コンクリートだての大工場(だいこうば)の屋根瓦(がわら)がうねうねと大蛇(だいじゃ)が歩くように波をうつと見るまに...
鈴木三重吉 「大震火災記」
...で見るまに村に急を告げ...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...傷は見るまに癒合(ゆごう)して包帯しなくてもよいくらいになった...
寺田寅彦 「春寒」
...見るまにまた銀ごしらえの脇差を追い抜いてしまいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...そのまま橋の欄干近くへ持って行くと見るまに...
中里介山 「大菩薩峠」
...見るまに悪魔除けの鍾馗様を作り上げてしまうと...
中里介山 「大菩薩峠」
...大喝(だいかつ)一声するよと見るまに...
中島敦 「悟浄歎異」
...彼を追うかと見るまに...
吉川英治 「三国志」
...ひらりと駒(こま)におどった武装(ぶそう)の少女は一鞭(ひとむち)あてるよと見るまに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...見るまに井戸は完全な石埋(いしう)めとなってしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...見るまに怪異(かいい)な老婆のかげは...
吉川英治 「神州天馬侠」
...戞々(かつかつ)と、石を蹴り、木の根を踏む馬蹄の音が、はや耳を打って来たかと思うと、馬印、旛(ばん)、旗さし物など、治部大輔(じぶのたゆう)今川義元の本軍は、見るまに、田楽狭間(でんがくはざま)の芝山と低地を、兵と馬と旗と幕(とばり)とで埋めてしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...――と見るまにである! 鉄砲にあたって...
吉川英治 「新書太閤記」
...清々(すがすが)しい空席が見るまに殖(ふ)えた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...それは見るまに、官衙の廂(ひさし)から廂へ、大きな焔の波濤をなし、常陸勢は、たちまち混乱に陥ちてしまった...
吉川英治 「平の将門」
...名も知らぬ雑草が、ぐんぐんと伸びて、パッと尨大な深紅の花が咲く、と見るまに、ぽとりぽとりと血の滴るように葩(はなびら)が散って仕舞う、或は、奇岩怪石の数奇を凝らした庭園の中を、自分が蜻蛉(とんぼ)のようにすいすいと飛んでいる...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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