...見え隠れにつけて行こう」波越氏は小声で...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...彼方(かなた)の丘に見え隠れして...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...見え隠れ雲の隙を瞬(またた)く...
寺田寅彦 「嵐」
...中に兜(かぶと)の鉢を伏せたらんがごとき山見え隠れするを向いの商人体(てい)の男に問う...
寺田寅彦 「東上記」
...その代り見え隠れに二人の後(あと)を跟(つ)けて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...お菊の跡を見え隠れにつけて行く様子ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それから向側にぽっかりと新しい空間が見えてくる)「火の唇」のイメージは揺らぎながら彼のなかに見え隠れしていた...
原民喜 「火の唇」
...沼をかこむ丘の斜面のところどころに四阿(あずまや)や茶室が樹々のあいだに見え隠れし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ずっと離れて見え隠れに宿の入口まで送って行った...
久生十蘭 「キャラコさん」
...波間に見え隠れる四...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...いつも自分自身で湧き上らせた雲のなかに見え隠れしていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...その竹垣の一方はまださっきから見え隠れしている庭の続きであったが...
堀辰雄 「三つの挿話」
...陰気に松の大木が見え隠れする暗い濠端に沿うて駛(はし)っている...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...昼はその麦の穂立の中に基督のかげが見え隠れ...
室生犀星 「愛の詩集」
...見え隠れに跟(つ)けて来て...
山本周五郎 「風流太平記」
...その洗濯物の下を見え隠れしながら曲っていった...
横光利一 「上海」
...城門の陰から見え隠れに...
吉川英治 「三国志」
...「あら? ……変だな……やっぱり大蔵様に似ている人だ」それから城太郎は、いよいよ不審を増して、今度はほんとに、見え隠れに、その男を尾行(つけ)てみる気になった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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