...これを要するに、絶對に船に醉はないと信ずることによつて船に醉はないで濟むわけである...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...言語学は要するに...
高木敏雄 「比較神話学」
...之を要するに日本が支那に對して先進國であると正當に主張し得る範圍は極めて狹いものであるに過ぎず...
橘樸 「支那を識るの途」
...要するに、外に少しぐらい不満足なところがあっても、初婚の一事はそれらの総(す)べてを補って余りあるものであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それは要するに問題の主観化のことであるが...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...(一九三六)27言論の自由と統制言論というものは要するにイデオロギー活動に帰着する...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...カントは感覚の積極的な権利を認めることなくして幾何学の経験に対する応用を論じたために応用された結果は要するに直観空間の内容規定の外ではなく...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...要するに彼は、何も決心せず、何も決定せず、何も確定せず、何もなさなかったのだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...これを要するに、そしてまた確かに、ワーテルローにおいて勝利を得たところのもの、ウェリントンの背後にほほえんだところのもの、人の言うところではフランスの元帥杖をもこめてヨーロッパの元帥杖を彼にもたらしたところのもの、獅子(しし)の塚を築くために骸骨(がいこつ)の満ちた土の車を楽しげにひいたところのもの、その台石に一八一五年六月十八日という日付を揚々としるしたところのもの、壊走兵(かいそうへい)をなぎ払うブリューヘルを励ましたところのもの、モン・サン・ジャンの高地の上から獲物をねらうようにフランスの上にのしかかってきたところのもの、それは反革命であった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...是の如き研究法は勿論一朝一夕には出來ないのみならず、如何に聰明な人でも、一人や二人の手で出來ることでないが、要するに、研究の方法も定めず、單に部分的の考證を事として居ては、いつまでたつても、信用するに足る結論を得ることが出來ない...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...要するに述作の目的は以上のように区別ができると云うのであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...二〇要するに、死に對する關心もそれの理解も否それの觀念そのものさへも、文化の段階に昇ることによつてはじめて可能にされる事柄ではあるが、しかもそこに留まつただけでは死の實相は到底捉へ難い...
波多野精一 「時と永遠」
...要するに物そのものの外廓を廻つてゐるばかりであつて...
三木清 「認識論」
...要するに都(すべ)て人間の屍體で...
三島霜川 「解剖室」
...もはや要するにこれ以上何も望むことはない程である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「――要するに、自分は自分に対して、日頃から不満でならない...
吉川英治 「剣の四君子」
...要するに、これから開かれようとする軍議は、その原案を基礎として千原、吉田両人の持つ実際的な知識に諮問(しもん)し、同時に、人員の配備と、軍全体の戦闘も、すべてそれへ一転集中させるためのものであることはいうまでもない...
吉川英治 「新書太閤記」
...要するにこれは地上の女であって神ではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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