...耳朶の裏表を検めたり...
内田魯庵 「人相見」
...あんたの死体だけでも見付かりゃ、ぼくの名刺を持っているから、ぼくが乗っていたことが判る」五郎はポケットから丹尾の名刺を出して、裏表を眺めた...
梅崎春生 「幻化」
...いくども裏表をひっくりかえして見いった...
海野十三 「金属人間」
...その裏表を見たりしていたが...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...ましてこの商売の裏表をよく知っているだけに...
徳田秋声 「縮図」
...然るにこの形の定理は普通吾々が表象する裏表を有つ面に就いてのみ妥当し...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...その裏表を長くあらためていた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...銀座通の裏表を歩いて...
永井荷風 「ひかげの花」
...合っていて離れるような日向日蔭(ひなたひかげ)の裏表を一枚にした頭を彼は田口家に対して抱(いだ)いていたのである...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...裏表を打返して眺めたりした...
夏目漱石 「道草」
...津田は封筒の裏表を読んだ後で...
夏目漱石 「明暗」
...お霜とお春の案内で家の裏表を見廻りましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...久兵衛の家の裏表を見張っているのを誰も気がつきません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...屠蘇機嫌と言つた顏で、輪飾りを引くり返したり、障子をわざと外して、裏表を直したり、飛んだ生醉(なまよひ)の芝居をしたが、――勘定を濟まして、外へ出て振り返ると――」「――」「輪飾りは矢張り裏返しになつて居たし、二階の障子も、眞ん中の一枚は、骨が外へ向いて居たよ」「へエ――」「手前は其處までは氣が付かなかつたらう」「恐れ入つた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この時はもう土地の御用聞が驅けつけて、大黒屋の裏表を、蟻(あり)の這ひ出る隙間もなく見張つて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は受け取って裏表を改めながら問うた...
夢野久作 「暗黒公使」
...宿(やど)の雪隠(せっちん)や裏表を第一に睨んでおくこと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...銭(ぜに)の裏表を伏せて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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