...裏も表も何もなく...
太宰治 「右大臣実朝」
...私は私の手紙のレターペーパーの裏も表も...
太宰治 「恥」
...そのはたらきを表看板(おもてかんばん)にして裏も表もなかった...
壺井栄 「二十四の瞳」
...裏も表も大してちがやしないよ...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...当時の日本人が夢想しているような裏も表もわからない黒ん坊とは違って...
中里介山 「大菩薩峠」
...読書というものには裏も表もある...
中里介山 「大菩薩峠」
...「裏も表も、外から心張がしてあったとかいうが――」「どこでそんな事を聞きましたえ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...金貸の戸締りらしく裏も表も木戸も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ところが、不思議なことに、裏も表も、木戸は嚴重に内から締つて居りますし、忍び返しがあの通りで、塀(へい)を越して逃げ出す工夫もありません」「?」「でも、曲者が二千五百兩を持逃げしたことは確かですから、飛び出した人數の半分は、家の廻りを見ることにし、あとの半分は、木戸の外に飛び出して、上手(かみて)、下手(しもて)から、溜池のあたりまで調べましたが、曲者が逃げた樣子もなかつたのです」手代巳之吉の説明は、まことに行屆きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...家は裏も表も雨戸を閉めきりだ...
宮本百合子 「毛の指環」
...私の考えでは綿入れや袷せはなるほど二枚の異なった布地をついであるから裏を出してはわるかろうが単衣は一枚だから裏も表もありはしない...
森於菟 「放心教授」
...私は裏も表も区別していないから偶然率にして五〇パーセントは裏が出る次第である...
森於菟 「放心教授」
...裏も表も、いつも門扉はかたく閉まったままで人の住んでいる気配もない家なのであるが、めずらしく、こういう声がして、巌畳(がんじょう)な手斧削(ちょうなけず)りの窓格子に、美しい顔が二つ並んだ...
吉川英治 「篝火の女」
...この通り正しく裏も表もない人間であることを見せてはばからん...
吉川英治 「三国志」
...出入口は裏も表も薦(こも)を垂れているに過ぎない...
吉川英治 「親鸞」
...遊びの裏も表も心得ぬいている客になると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...裏も表もないが――此方(こちら)がよかろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...裏も表もない彼の真意でありまた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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