...萌黄(もえぎ)の緞子(どんす)の夏衾(なつぶすま)...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...」玉(ぎょく)はそこで衾(やぐ)を展(の)べて暫く女をやすまし...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿英」
...彼奴は衾(ふとん)をあけて入りかけましたが...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「五通」
...醒(さ)めてみると血が衾に赤黒くついていたのです...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「五通」
...朝になって女の死骸にかけた衾(ふとん)を開けてみると頭がなくなっていた...
田中貢太郎 「陸判」
...しづ衾引きかゝぶりて...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...ひと日母が手して竿に掛けさせければ我も日毎にかくしつゝ日に干せば日向臭しと母のいひし衾(ふすま)はうれし軟かにして日に疎き庭は土質悪しければ...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...頭の上から野衾(のぶすま)がバサリと顔を撫でます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...きっと偉い人になって遊びに来ておくれ」と幾たびか頬擦りをしたあげくに野衾のように私の頬を強く強く吸った...
水上滝太郎 「山の手の子」
...「旧枕故衾誰与共(きうちんこきんたれとともにせん)」という詩の句の書かれた横に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...秋田県などでユブシマすなわち夜衾(よぶすま)というものが稀にまだ残っているが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...この国の娘は男子と一度同衾すると...
横光利一 「欧洲紀行」
...周瑜はなお衣衾(いきん)にふかくつつまれて横臥呻吟(おうがしんぎん)している...
吉川英治 「三国志」
...衾(ふすま)はその下に何もないかのようで平(ひら)べッたい...
吉川英治 「私本太平記」
...死者の白い衾(ふすま)だけが谷底の雪みたいに見えていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...衾(ふすま)を刎ねて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...常に巻いて手に持って歩く彼の唯一の衾(ふすま)であり雨露の家だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...力衰えぬれば倚(よ)る所の者はただ子のみ頼む所の者はただ婦(よめ)のみしかるに朝(あした)より暮まで未だ敢えて一たびも来り問わず夜半衾(ふすま)冷(ひ)ややかに五体安んぜず...
吉川英治 「宮本武蔵」
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