...來歴ある好き衾(ふすま)をも借し參らせん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...思(おもひ)寂(さび)しき衾(ふすま)の中に...
高山樗牛 「瀧口入道」
...衾をとって見るともう死んでいた...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「小翠」
...独行不愧己、独寝不愧衾、慎独の境地である、私の生きるべき世界である...
種田山頭火 「一草庵日記」
......
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...ひと日母が手して竿に掛けさせければ我も日毎にかくしつゝ日に干せば日向臭しと母のいひし衾(ふすま)はうれし軟かにして日に疎き庭は土質悪しければ...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...衾(ふすま)かづきて臥しゐたり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...フスマ(衾)というのは大形の衣服のことであった...
柳田国男 「雪国の春」
...彼は喪に在るの間其愛妻とすら衾(きん)を共にせざりし也...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...夜の衾も共同の物だし...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
......
横瀬夜雨 「花守」
...今宵はここの河原蓬(よもぎ)を衾(ふすま)にして夜を明かそうと心を決めた...
吉川英治 「剣難女難」
...衾(ふすま)へおまろびなされませいな」「なに」かすみの中のような眸を...
吉川英治 「私本太平記」
...秀吉は衾(ふすま)も被(かつ)がず手枕で眠っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...夜の衾(ふすま)に入った頃ではなかろうか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...衾(ふすま)のうえにいるがよい...
吉川英治 「親鸞」
...常に巻いて手に持って歩く彼の唯一の衾(ふすま)であり雨露の家だった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...力衰えぬれば倚(よ)る所の者はただ子のみ頼む所の者はただ婦(よめ)のみしかるに朝(あした)より暮まで未だ敢えて一たびも来り問わず夜半衾(ふすま)冷(ひ)ややかに五体安んぜず...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索