...行き詰りになってしまったんですわ……」「それで貴方(あなた)がたは...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...その露次はすぐ先が行き詰りのやうになつてゐて右に折れ曲り見附には長屋の横手の壁らしい物があつた...
田中貢太郎 「白いシヤツの群」
...しかしこういう絵もこのままではすぐ行き詰りになりやすい...
寺田寅彦 「二科会展覧会雑感」
...元来末期資本主義の行き詰り...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...この理想主義的(それは当時のギリシア社会の行き詰りからの反発なのだが)世界観は...
戸坂潤 「辞典」
...元来ファッシズムは様々な形態と条件との下に高度に発達した諸ブルジョア国に於ける独占・金融・大産業・資本主義の行き詰りと内訌と腐敗との必然的な一つの著しい所産であって...
戸坂潤 「辞典」
...この行き詰りを解釈する言葉としては実は之は甚だ都合が悪い...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...資本主義の行き詰りや軍部の跳梁などだけでは...
豊島与志雄 「文学の曇天」
...相対論的量子力学は行き詰りの形にあるということを...
中谷宇吉郎 「救われた稀本」
...そうしてその行き詰りには...
夏目漱石 「道草」
...彼が三十一の年その作の中には芸術家としての行き詰りが明瞭(あきらか)に現われはじめた...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...暗(やみ)のおびえの『扇を持てる孤兒(みなしご)の娘』青春の衰へを星雲(せいうん)の中に齒がみして死ぬ生き埋めの如き自分の『一生』を書いて殆んど再び行き詰りの絶頂に達(とど)いた自分は突如として生の勢のよい『發生』を感じた...
福士幸次郎 「太陽の子」
...今は彼のうしろは行き詰りであった...
本庄陸男 「石狩川」
...「どうも、何ですな、……今日の法事は大変貧弱で、恐縮で御座いますな、親父は、どうもお客をすることがあの通り好きだつたので、その、仲々、何で御坐いましたが、いや、その私も、大変好きなんですがね、どうも、斯う……」何かお世辞を云はなければならないと気附いて彼は、急にそんなことを喋舌り出したが、久しく使用しなかつた為か、改つた叮嚀な言葉使ひをすつかり忘れてゐて、直ぐに行き詰り、困つて、仕方がなく出来るだけ大人らしく構へて、「ハツハツハ……」と、笑つた...
牧野信一 「鏡地獄」
...遥の目の先には空と海が見えるだけだつたから行き詰りの崖に向つて進んで行くやうだつた...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...「書くことに迷つてゐる自分! 無能! 行き詰り! 苦し紛れ!」つい此間...
牧野信一 「冬の風鈴」
...この二つの鼻の表現は人間の性格の両方向の行き詰りで...
夢野久作 「鼻の表現」
...当然行き詰りが来たのかも知れない...
吉川英治 「銀河まつり」
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