...その露次はすぐ先が行き詰りのやうになつてゐて右に折れ曲り見附には長屋の横手の壁らしい物があつた...
田中貢太郎 「白いシヤツの群」
...しかしこういう絵もこのままではすぐ行き詰りになりやすい...
寺田寅彦 「二科会展覧会雑感」
...この理想主義的(それは当時のギリシア社会の行き詰りからの反発なのだが)世界観は...
戸坂潤 「辞典」
...この行き詰りを解釈する言葉としては実は之は甚だ都合が悪い...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...この行き詰りは「日本精神の本質をはっきり把握しない」ことから来る...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...実情はむしろ文学の行き詰りから叫ばれたのである...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...実際の生活の行き詰りが...
豊島与志雄 「立枯れ」
...すると彼の言葉がそこで不意に行き詰りました...
夏目漱石 「こころ」
...そうしてその行き詰りには...
夏目漱石 「道草」
...暗(やみ)のおびえの『扇を持てる孤兒(みなしご)の娘』青春の衰へを星雲(せいうん)の中に齒がみして死ぬ生き埋めの如き自分の『一生』を書いて殆んど再び行き詰りの絶頂に達(とど)いた自分は突如として生の勢のよい『發生』を感じた...
福士幸次郎 「太陽の子」
...「どうも、何ですな、……今日の法事は大変貧弱で、恐縮で御座いますな、親父は、どうもお客をすることがあの通り好きだつたので、その、仲々、何で御坐いましたが、いや、その私も、大変好きなんですがね、どうも、斯う……」何かお世辞を云はなければならないと気附いて彼は、急にそんなことを喋舌り出したが、久しく使用しなかつた為か、改つた叮嚀な言葉使ひをすつかり忘れてゐて、直ぐに行き詰り、困つて、仕方がなく出来るだけ大人らしく構へて、「ハツハツハ……」と、笑つた...
牧野信一 「鏡地獄」
...「書くことに迷つてゐる自分! 無能! 行き詰り! 苦し紛れ!」つい此間...
牧野信一 「冬の風鈴」
...或行き詰りを持ち始めたことを知った...
宮本百合子 「有島武郎の死によせて」
...革命的作家は益々切迫するブルジョア経済の行き詰りとともにファッショ化する権力の文化抑圧と如何に闘うべきか...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...私は井荻に帰られるとこのたいせつな食事の行き詰りをおそれ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...現在の財界の行き詰りを戦争で打ち破ろうと企んでいるのです...
夢野久作 「ココナットの実」
...今川橋の電車の行き詰りの処に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...行き詰りの世が腐りだすと...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??