...かたがた! 御城代石藤左近将監殿が乱心めされたぞ! 血刀ひっさげて拙者のあとよりおうてまいらるる...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...飛脚は狼の血でべとべとになった血刀を持って下の方を覗いていた...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...丈太郎は血刀を逆手に取直して居りました...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...「これが曲者の捨てゝ行つた脇差かい」「へエ」平次は血刀を取上げて縁側へ出ました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――お前はその血刀を専次に隠させる気になった心持もよく解るよ――専次はお夏のためならどんな事でもする」「…………」茂七は始めて平次の顔を仰(あお)ぎました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――盜んだ金を隱した場所も」「えツ」「鞍掛宇八郎を刺した血刀がないんで俺は骨を折つたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして、逃げようとして、膝がしらの力が失われて、よろよろと、その場に跪(ひざまず)いてしまいそうになったとき、血刀を、提げたままの五助が、駈け寄って、左手で、抱き止めるようにした...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...血刀を提げた男性の...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...(言うなり持っている血刀の穂を右襟首の辺へスッと立て...
三好十郎 「斬られの仙太」
...四郎左衛門が血刀(ちがたな)と生首(なまくび)とを持つて来るのを見て...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...与一は右に左に翻(かわ)して血刀を突き付けた...
夢野久作 「名君忠之」
...はじめて新造の死骸(しにがら)から血刀を抜いて...
吉川英治 「剣難女難」
...有難うございました」と血刀置いて額(ぬかず)いた...
吉川英治 「剣難女難」
...袁紹(えんしょう)は血刀を持ったまま彼の前へきて...
吉川英治 「三国志」
...血刀も収めず、惣蔵は遠くから勝頼のすがたへひれ伏して、「おなさけないお叱りです...
吉川英治 「新書太閤記」
...一閃(せん)、楊雄は躍ッて迎児を斬り伏せ、返すやいな、その血刀で、「阿女(あま)、思いしれ」と、巧雲の心部を刺しつらぬいた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...物慾の争奪、血刀の乱舞、恋と恋の生々(なまなま)しい争い――それらの悪気をふくんだ険(けわ)しい嵐の前兆が、今や、どこからとなくソヨソヨと、江戸の近くへ見舞ってきた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ふいにその血刀のさきで...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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