...何処か大いなる蝙蝠(こうもり)に似たり...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...「さてはその蝙蝠(かわほり)の翼...
芥川龍之介 「るしへる」
...その手は夕暮をとぶ蝙蝠のやうだ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...ふるい樹のうつろのやうに蝙蝠の叫びを抱きかかへた...
大手拓次 「藍色の蟇」
...牡蠣飯屋を出て行つた若い夫婦の女の蝙蝠傘が美しいと思ふ...
高濱虚子 「俳諧師」
...さもなければ蝙蝠傘(こうもりがさ)でもってパンテレイモンの幅びろな肩を...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...日陰だから人が蝙蝠傘(こうもりがさ)を阿弥陀にさしてゆる/\あるく...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...蝙蝠傘を我にあづけ...
内藤湖南 「寧樂」
...次には死んだ巨盗蝙蝠冠兵衛(こうもりかんべえ)の脅迫状を見せて貰うことでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...電燈の点いてゐるゴタゴタした部屋の片隅に僕は蝙蝠傘を置く...
原民喜 「魔のひととき」
...蝙蝠(こうもり)のたましいのような心を持った一人の僧がその真実を伝えるのを恐れて...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...蝙蝠もまた旧東京文化の灯かげに生育したものにとつては...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...おまえ側女になったことで蝙也を憎んでいるだろう」「…………」町はぎょっとして息をのんだ...
山本周五郎 「松林蝙也」
...見事に蝙也をあっと云わせたら...
山本周五郎 「松林蝙也」
...それから渡辺(わたなべ)の頑太郎(がんたろう)も呼んでやれ」みんな蝙也の愛弟子だった...
山本周五郎 「松林蝙也」
...町はいつか蝙也を愛していたのである...
山本周五郎 「松林蝙也」
...右衛門七が頭から被(かぶ)っていた蝙蝠羽織(こうもりばおり)を...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...蝙蝠(こうもり)のような人影がかくれた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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