...あたりは蝙蝠傘(かうもりがさ)を引(ひ)つ擔(かつ)いで...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...蝙蝠(こうもり)が地面を匐(は)うような恰好(かっこう)で逃げていった...
海野十三 「断層顔」
...婦人の蝙蝠傘一つ始末が出来ないものが...
薄田泣菫 「茶話」
...白樺色(しらかばいろ)の蝙蝠傘(かうもりがさ)と派手な鼻緒のすがつた下駄と……かうした光景は其処にも此処にも起つた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...革鞄と毛布と蝙蝠傘(こうもりがさ)とを両手一ぱいにかかえて狭き梯子を上って甲板に上がれば既に船は桟橋(さんばし)へ着きていたり...
寺田寅彦 「東上記」
...そのかわりに白張りの蝙蝠傘(こうもりがさ)をさしていた...
寺田寅彦 「物売りの声」
...蝙蝠の籠(かご)を手からはなさないで...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...そして蝙蝠を退治しようと苦心しました...
豊島与志雄 「古木」
...天井の闇にぶら下って惰眠を貪っていた蝙蝠(こうもり)共も此の椿事(ちんじ)に仰天して表へ飛び出した...
中島敦 「南島譚」
...牡蠣(かき)や蝙蝠(こうもり)共の気に入るために...
中島敦 「光と風と夢」
...余の風呂敷包と蝙蝠傘とを春さんが出してくれる...
長塚節 「菜の花」
...大いなる蝙蝠傘(こうもりがさ)をさした二人の東洋人を乗せ大工場の移転のごとき壮大な爆音をたて...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...歸り途、いつまでも自分のまはりがいい匂がしてゐるので、始めて氣がついて見ると、僕の蝙蝠傘には、それで木の枝をこすつたと見えて、一面に花がくつついてゐるし、僕の靴は靴で、その底が花だらけになつてゐた...
堀辰雄 「フローラとフォーナ」
...無慙(むざん)に蹂躪(ふみにじ)ったのは蝙也である...
山本周五郎 「松林蝙也」
...見事に蝙也をあっと云わせたら...
山本周五郎 「松林蝙也」
...玄関へ来て見ると蝙也は相変らず眠りこけている...
山本周五郎 「松林蝙也」
...だっと蝙也の背を突放した...
山本周五郎 「松林蝙也」
...遲れた蝙蝠は夢の中の生物のやうに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??