...どうやら人種の進歩などと云ふのは蛞蝓(なめくぢ)の歩みに似てゐるらしい...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...蛞蝓(なめくじ)の這うにこそ...
泉鏡花 「婦系図」
...蛞蝓は、ふと見ず...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...蛞蝓(なめくじ)には...
豊島与志雄 「或る素描」
...蛞蝓や蚯蚓のようなぬるぬるしたものは...
豊島与志雄 「霧の中」
...蛞蝓が鈍銀の粘液をぬたくりながら...
豊島与志雄 「春の幻」
...彼等は――蛇と蛙と蛞蝓とは...
豊島与志雄 「春の幻」
...腐りかけた板(いた)ばめの上には蛞蝓(なめくじ)の匐(はっ)た跡がついている...
永井荷風 「夏の町」
...蛞蝓(なめくぢ)の匐ふ縁側に悲しい淋しい蟇(ひき)の声が聞える暮方近く...
永井荷風 「花より雨に」
...蛞蝓(なめくじ)のような顔をしていた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...行くかい」蛞蝓(なめくじ)は訊(き)いた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...こんな状態の女を搾取材料にしている三人の蛞蝓(なめくじ)共を...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...僅(わず)か二分(ぶ)やそこらの金でそういつまで楽しむって訳にゃ行かねえぜ」いつの間にか蛞蝓(なめくじ)の仲間は...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...お前の下りた階段をお前の一つ後から一足ずつ降りて来たまでの話さ」此蛞蝓野郎(なめくじやろう)...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...蛞蝓(なめくじ)と二人っ切りであった...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...葱の根に蛞蝓(なめくじら)でも這ってはゐないか...
原民喜 「針」
...だだっ広い家の踏めばぶよぶよと海のように思われる室々(へやへや)の畳の上に蛞蝓(なめくじ)の落ちて匍(は)うようなことも多かった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...線などは蛭(ひる)や蛞蝓(なめくじ)のやうに引いたつて...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
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