...蛞蝓(なめくじ)だとペロリと呑みたくなって危いが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...白砂糖にまぶして三十六尾(ぴき)まで蛞蝓を鵜呑(うのみ)にしたといふ男で...
薄田泣菫 「茶話」
...蚯蚓や蛞蝓や蜘蛛や百足位は何でもないのに...
種田山頭火 「其中日記」
...蛞蝓が鈍銀の粘液をぬたくりながら...
豊島与志雄 「春の幻」
...彼等は――蛇と蛙と蛞蝓とは...
豊島与志雄 「春の幻」
...腐りかけた板(いた)ばめの上には蛞蝓(なめくじ)の匐(はっ)た跡がついている...
永井荷風 「夏の町」
...蛞蝓(なめくぢ)みてえな野郎だ」「蛞蝓にもなりますよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蛞蝓(なめくぢ)ぢやなくてゲヂゲヂか」「弱つたなア...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蛞蝓(なめくじ)のような顔をしていた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...二分(ぶ)で買う気はねえかい」蛞蝓(なめくじ)は一足下りながら...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...分ったかい」蛞蝓(なめくじ)はそう云って憐(あわ)れむような眼で私を見た...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...扉の所に立っていた蛞蝓(なめくじ)へ...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...渡す時に私は蛞蝓の萎(しな)びた手を力一杯握りしめた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...葱の根に蛞蝓(なめくじら)でも這ってはゐないか...
原民喜 「針」
...玉井君、君も考えなおした方がよさそうじゃな」「考えなおしません」狭い湯槽の中で、膝を接しながら、語る二人の言葉は穏かであったが、肌に躍る龍、大蛇、蝦暮、蛞蝓、などの怪獣たちの眼は、白い湯気のなかで、さらに、不気味な光を増したようだった...
火野葦平 「花と龍」
...闇中に蛞蝓を識つたと言ふことである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...道に蛞蝓がいると...
森鴎外 「渋江抽斎」
...蛞蝓(なめくじ)の這い痕(あと)をもった戸袋やらガタピシいう暗い格子戸がそれだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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