...満山の蝉しぐれがうら悲しい蜩(ひぐらし)の声に代り...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...呪うべき句を三つ四つ蝉しぐれ死に場所をさがしてゐるのか・青葉に寝ころぶや死を感じつゝ毒薬をふところにして天の川・しづけさは死ぬるばかりの水が流れて熊本を出発するとき...
種田山頭火 「行乞記」
...・松もあんなに大きうなつて蝉しぐれ(勅使松)・やつぱりおいしい水のおいしさ身にしみるうれしい雨の紫蘇や胡麻や茄子や胡瓜や八月四日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...・ふるさとの蟹の鋏の赤いこと・ふるさとの河原月草咲きみだれ・蝉しぐれ...
種田山頭火 「行乞記」
...青葉の奥の鐘が鳴る・蝉しぐれこゝもかしこも水が米つくながれをさかのぼりきて南無観世音菩薩・山からあふれる水の底にはところてん御馳走すつかりこしらへて待つ蜩・寝ころぶや雑草は涼しい風・道筋はおまつりの水うつてあるかなかなうらは蜩の...
種田山頭火 「行乞記」
...・ころ/\ころげてまあるい虫・つながれて吠えるばかりの仔犬の暑さ・朝からはだかで蝉よとんぼよ・夕立つや蝉のなきしきる夕立つや逃げまどふ蝶が草のなか七月十八日朝ぐもり、蝉しぐれ、身心なごやかなり...
種田山頭火 「行乞記」
...境内は掃目もあざやかに蝉しぐれのなごやかさ...
種田山頭火 「行乞記」
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種田山頭火 「行乞記」
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種田山頭火 「行乞記」
...待つてゐるヒットは出なくやれやれと思つてゐるとナインも打者も悉(ことごと)く消え人ッ子一人ゐはしないグランドは忽(たちま)ち暑い真昼(ひる)のグランドグランド繞(めぐ)るポプラ竝木(なみき)は蒼々として葉をひるがへしひときはつづく蝉しぐれやれやれと思つてゐるうち……眠(ね)た春と赤ン坊菜の花畑で眠つてゐるのは……菜の花畑で吹かれてゐるのは……赤ン坊ではないでせうか?いいえ...
中原中也 「在りし日の歌」
...人どおりのまったく絶えたこの径には蝉しぐれが降りしきって聾するばかりのかしましさのゆえか辺りの寂けさがひとしお澄んで感じとられる...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...蝉しぐれをよそに...
吉川英治 「折々の記」
...耳を洗うような快(こころよ)い蝉しぐれの音に...
吉川英治 「剣の四君子」
...蝉しぐれが啼(な)きぬいていた...
吉川英治 「山浦清麿」
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