...蛤提灯――こんなのに河豚も栄螺(さざえ)もある...
泉鏡花 「浮舟」
...名物は蛤(はまぐり)じゃもの...
泉鏡花 「歌行燈」
...蛤などが近来激減してきたと聴いて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...こっそりとそこらの蛤の家に潜り込み...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...桃や蛤の形の紅白に染めわけたのを背中でふつて楽しみながら帰つてわつてみると紙でこしらへた小鼓やブリツキ製の笛などがでる...
中勘助 「銀の匙」
...余は嘗て蛤位の大きさより外は知らなかつたので餘り珍しく思つたから笠も蓙もほうつて波打際をあさつた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...不禮者とばかり蛤小女を打つた...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...六月の長兵大挙上洛と蛤門(はまぐりもん)の敗戦...
服部之総 「尊攘戦略史」
...蛤橋を渡って浜園町へ行こうとすると...
久生十蘭 「金狼」
...番頭六兵衛を乗せた雨夜の駕が、土手八丁で小夜衣の幽霊に悩まされるところまで汗だくでやって、「浜田一家へ、小夜衣亡魂祟りをいたします、蛤吸物の一席は、ヘイまた明晩申し上げます」とピョコリと落語家らしく頭を上げたとき、さっき高座へ上がったときよりも烈しい拍手が浴びせられた...
正岡容 「寄席」
...腰障子に大きな蛤の絵が描いてある小ざっぱりした店構えに...
正岡容 「寄席」
...伊勢の蛤(はまぐり)...
正岡子規 「墨汁一滴」
...邦俗専ら蜃をこの第二義に解し蛤が夢を見るような画を蜃気楼すなわち竜宮と見るが普通だ...
南方熊楠 「十二支考」
...山の上なる蛤やとある通り...
南方熊楠 「十二支考」
...第二十一蛤蜊(あさり)のライスカレーはアサリの身一合と玉葱一つ西洋人参三つジャガ芋三つとを細かく切って水五勺を加え塩味をつけて一旦強火で煮ますが上へ泡が浮きますから丁寧(ていねい)によく掬(すく)い取ってそれからは火を弱くして三十分間煮詰めます...
村井弦斎 「食道楽」
...粒の揃(そろ)ったみごとな蛤で...
山本周五郎 「青べか物語」
...蛤(はまぐり)町まで殆ど口をきかずに歩いた...
山本周五郎 「追いついた夢」
...蛤鍋屋(はまなべや)へつれこみ...
吉川英治 「大岡越前」
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