...豌豆(えんどう)と蚕豆(そらまめ)も見わけられないのです...
芥川龍之介 「不思議な島」
...」母はだだ広(びろ)い次の間(ま)に蚕(かいこ)の桑(くわ)を刻(きざ)み刻み...
芥川龍之介 「百合」
...そのままお千代が蚕籠を洗ってる所へ行こうとすると...
伊藤左千夫 「春の潮」
...」ひらりと自転車を下りたその中年の男――選挙ブローカーもやれば、墓碑の下文字も書く、蚕種、桑葉、繭の仲買いもやれば、雑穀屋の真似もやると言ったような存在――俗称「塚屋」で通っているこの五尺足らずの顔面ばかりが馬鹿に大きく、両眼はあるか無きかの一線にすぎない畸形児風の男は、浩平をまともに見て、にやりと笑った...
犬田卯 「米」
...銀山平は夏期に耕作や養蚕に行くか...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...蚕種(さんしゅ)検査の御役人が帰るのだなと合点がいった...
寺田寅彦 「高知がえり」
...宿の二階から毎日見下ろして御なじみの蚕種検査の先生達は舳(へさき)の方の炊事場の横へ陣どって大将らしき鬚(ひげ)の白いのが法帖様(ほうじょうよう)のものを広げて一行と話している...
寺田寅彦 「高知がえり」
...今日ではアカデミーの独壇場であった理論の世界を蚕食して...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...忽然と雲の中――蚕の作りかけの繭さながら...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...○ここらあたりは桑畑蚕さんが見たならはつて来よなアララノラツテバアララノラ桑畑の中の...
野口雨情 「大利根八十里を溯る」
...なにも煩わしく蚕豆と併記する必要はない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...早くお蚕さんを見せてよ...
槇本楠郎 「母子ホームの子供たち」
...岐岨の峡中は寸地の隙あればこゝに桑を植ゑ一軒の家あれば必ず蚕を飼ふを常とせしかば今こゝに至りては世界を別にするの感あり...
正岡子規 「かけはしの記」
...蚕一つすら養い得ぬ宿世(すくせ)を哀しみ犬に向いて泣きいると...
南方熊楠 「十二支考」
...早く秋蚕の始末にかからんと...
三好十郎 「妻恋行」
...孤独に蚕蝕されたのだ...
山本周五郎 「青べか日記」
...また各郡を遊説して養蚕と製茶とを奨励せり...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...蚕(かいこ)も繭(まゆ)を作れず糸も吐けまい」「…………」太史慈が無言のままうつ向いていると...
吉川英治 「三国志」
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