...いつか番傘で蛙を聞いた時ここに畝(うね)近く蚕豆(そらまめ)の植っていたと思う……もう提灯が前を行く……その灯とともに...
泉鏡花 「遺稿」
...「蚕種製造論」と題して...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...蚕種製造家として郷里に落着くとともに...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...僅(わずか)二枚ばかりの蚕が...
徳田秋声 「あらくれ」
...いつもの養蚕時が来ても...
徳田秋声 「あらくれ」
...おかみはよく此(この)中(なか)で蚕に桑をくれたり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この汚(きたな)い溝(どぶ)のやうな沼地(ぬまち)を掘返しながら折々(をり/\)は沙蚕(ごかひ)取りが手桶を下げて沙蚕(ごかひ)を取つてゐる事がある...
永井荷風 「水 附渡船」
...養蚕(ようさん)の目的は蚕卵紙(たねがみ)を作るにあらずして糸を作るにあり...
福沢諭吉 「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」
...隣室は蚕の道具などが一杯の納屋なのに――と私は思ひ...
牧野信一 「るい」
...初子の日に蚕室を掃除し初むる行事が宮廷に及ぼして子の日の御宴に玉帚を賜うて一盃やらかしたもうに至ったので...
南方熊楠 「十二支考」
...我は秋蚕(しうさん)の匂ひあるなかをさまよひぬ...
三好達治 「測量船」
...孤独に蚕蝕されたのだ...
山本周五郎 「青べか日記」
...頭を擡(もた)げる十疋(じっぴき)の蚕(かいこ)のように動き出すと...
横光利一 「日輪」
...十四年以後、大隅国加治木説教場主任を兼ね、布教の傍、鉱業、養蚕業、西洋葡萄及び楮の栽培等を奨励し、楮と葡萄とは苗木を東京より取寄せて寺内に移植し、無料を以て需要者に頒てり...
與謝野禮嚴 「禮嚴法師歌集」
...腹心の蚕婆(かいこばばあ)や昌仙(しょうせん)をつれて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「蚕婆(かいこばばあ)だな……」と...
吉川英治 「神州天馬侠」
...和田呂宋兵衛(わだるそんべえ)と蚕婆(かいこばばあ)の修道士(イルマン)を連れてはるかに平伏(へいふく)させた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...加茂(かも)の堤(つつみ)で蚕婆(かいこばばあ)の吹(ふ)き針(ばり)にふかれてその目をつぶされ...
吉川英治 「神州天馬侠」
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