...御忌(ぎよき)の鐘皿割る罪や暁(あけ)の雲つま猫の胸の火や行(ゆ)く潦(にはたづみ)夜桜に怪しやひとり須磨(すま)の蜑(あま)蚊柱(かばしら)の礎(いしずゑ)となる捨子(すてこ)かな人魂(ひとだま)は消えて梢(こずゑ)の燈籠(とうろ)かなあさましや虫鳴く中に尼ひとり火の影や人にて凄き網代守(あじろもり)句の佳否(かひ)に関(かかは)らず...
芥川龍之介 「点心」
...やぶ蚊がすさまじく鳴きたてて軒先に蚊柱を立てているころだった...
有島武郎 「或る女」
...蚊柱の声の様に聞こえて来るケルソン市の薄暮のささやきと...
有島武郎 「かんかん虫」
...蚊柱のように唸るんでございますもの...
泉鏡花 「浮舟」
...すべてこの蚊柱の下で演ぜられる...
心猿 「荷風翁の發句」
...蚊柱や新粧の女門にたつ(明治四十年)...
大町桂月 「飛鳥山遠足」
...そこいらにいくつかの蚊柱が立ち...
薄田泣菫 「独楽園」
...蚊柱やけづらるゝなら一かんな 宗因宗因の発句にはこの他にもいろいろの種類のがありまして貞徳時代のようなものもあり...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...蚊柱が立っている随分大きな蚊柱だ...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...しかしとにかく大きな蚊柱というものに着目しそれを削ってみたいというところに地口以上の滑稽があります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...蚊柱の立つ夕闇の空を見上げているほの白い顔が...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...父(ちゝ)なるものは蚊柱(かばしら)の立(たつ)てる厩(うまや)の側(そば)でぶる/\と鬣(たてがみ)を撼(ゆる)がしながら...
長塚節 「土」
...檐(のき)に立(た)つた蚊柱(かばしら)が崩(くづ)れて軈(やが)て座敷(ざしき)を襲(おそ)うた...
長塚節 「土」
...そのあとに呪文によって蚊柱を呼び下ろすという子供の頃の経験の追憶が書かれている...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...蝙蝠よ井戸端に蚊柱が立つてゐる早く来て喰はないか蝙蝠の家は何処だ山か里か何故咄(はな)さぬ蚊柱が立たば迎ひに行くぞすぐに来て喰へよ呼んでも...
野口雨情 「都会と田園」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...燕が蚊柱のように群り立って飛んでいる...
横光利一 「欧洲紀行」
...蚊柱のように舞い上った...
横光利一 「上海」
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