...唯この俗伝を生じたのも或は虞美人(ぐびじん)の血の化して虞美人草となつた話に根ざしてゐるかと思ふだけである...
芥川龍之介 「鴉片」
...」!)「『虞美人草(ぐびじんそう)』は?」「あれは僕の日本語じゃ駄目(だめ)だ...
芥川龍之介 「彼 第二」
...虞美人草の花を五六本バケツの水にしてゐる...
鈴木三重吉 「胡瓜の種」
...「虞美人草(ぐびじんそう)」はいやになった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...氏の腹中にはその後『朝日新聞』紙上に連載した「虞美人草」の稿案が組み立てられつつあったのであった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...先生の「虞美人草(ぐびじんそう)」の中に出て来るヴォラプチュアスな顔のモデルがすなわちこれであるかと思われる...
寺田寅彦 「柿の種」
...作品から言っても「猫」から「虞美人草(ぐびじんそう)」へかけての時代である...
寺田寅彦 「柿の種」
...「虞美人草(ぐびじんそう)」を書いていたころに...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...三虞美人草(ぐびじんそう)のつぼみははじめうつ向いている...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...それはコスモスと虞美人草(ぐびじんそう)とそうして小桜草(こざくらそう)である...
寺田寅彦 「路傍の草」
...少なくも虞美人草はこのへんの民家の庭にあまり見受けなかった...
寺田寅彦 「路傍の草」
...漱石の初期の作品――倫敦塔・幻影の盾・虞美人草等――との相違がある...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...虞美人草(ぐびじんそう)のような見事な朱塗(しゅぬり)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは十九の虞美人草(ぐびじんそう)のような娘でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これは十九の虞美人草(ぐびじんさう)のやうな娘でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...季節は虞美人草の咲く初夏のことであつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...散りて咲く野末の花のなつかしく露にぬれたる秋の花を渡殿朽ちし西の壺に人の贈りし春の花を蝦夷菊枯れたる池の畔に褄紅の撫子は露霜(つゆしも)降(お)りてめげたれど名よ脆かりし虞美人草(ひなげし)のやがて媚(いろ)ある花咲かん眉秀でたる妹あらばりぼんに(さ)すを惜まねど紫菫...
横瀬夜雨 「花守」
...『虞美人草』に至っては鮮やかな類型的描写によって...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
便利!手書き漢字入力検索