...空虚の事などは首肯しても好し...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...詩作その事に対する漠然たる空虚の感が...
石川啄木 「弓町より」
...漠々(ばくばく)たる大虚の中に散乱せる物質は一団また一団相集合して...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...彼女は虚のような声で笑った...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「あの顔」
...全然空虚の議論である...
高田力 「ベーシック英語」
...「学位売買事件」というあまり目出度(めでた)からぬ名前の事件が新聞社会欄の賑(にぎ)やかで無味な空虚の中に振り播(ま)かれた胡椒(こしょう)のごとく世間の耳目を刺戟した...
寺田寅彦 「学位について」
...ケルヴィン卿(きょう)が水の固定波か何かの問題を取り扱うために伝導の式に虚の項を持ち込んだことがあったようなぼんやりした記憶があるが...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...自然がそれを空虚の儘で置く事を許さないから...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...精神が空虚のうちに身悶(みもだ)えをする悄沈(しょうちん)の時間のあとに起こった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...空虚の中でぶつかり合う諸観念の金属性な軋(きし)り...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...廃虚の仮住居は子供を教育するには...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...第五、生ずるは滅ぶるであり、有は無に等しく、生の意味の實現も達成されず、一切が果無き幻にをはる處、しかも主體がこの事態を自らの力をもつていかにともなし得ぬ處、には生の意味の否定、幸福の喪失、空虚の感、不安哀愁落膽等は避け難き歸結である...
波多野精一 「時と永遠」
...康子はすとんと空虚のなかに投げ出されたような気持であった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...しかし空虚の中で喋舌つてゐるのだつた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「夢」
...皮と肉との間に空虚のあるやつは中の肉の乾(ひから)びておることが多い...
正岡子規 「くだもの」
...旅行も人間性の空虚の一つの現われとしてモンテーニュの内省の資となったのであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この「包」は空虚の物であるが...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...謙虚の美...
吉川英治 「宮本武蔵」
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