...一日太虚の病を訪ふ...
芥川龍之介 「八宝飯」
...此空虚の感じは終に填められなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...我々が自分の生命の中に見出した空虚の感が...
石川啄木 「硝子窓」
...渠の蒲團は――それでもこれだけは殘してあつたかして――空虚のやうな書齋に取つてあつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それはひつきよう空虚の苦杯なのだ...
種田山頭火 「其中日記」
...なお空虚のままに残ってるようだった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...いっそ果知れぬ空虚の底に我身を打沈めてしまいたい衝動にかられます...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...これから始まろうとする空虚の承認でもある...
中井正一 「物理的集団的性格」
...ひよいと其處に湧いた空虚の感じと...
南部修太郎 「S中尉の話」
...心の傷(きずつ)いた空虚の影に...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...虚の反映はもとより虚である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...空虚の衣!最後の日の窓に身を傾けてゐたお前の姿を目のあたりに見ながらだつた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「窓」
...――舞台空虚のまま暫く間……)(幕)7 花道だけで前場の幕が降りるとすぐ起る夏祭の囃子鳴物...
三好十郎 「斬られの仙太」
...列車は目的地へ向つて空虚のまま全速力で馳け出した...
横光利一 「頭ならびに腹」
...河の両側には空虚の小舟が...
横光利一 「上海」
...客のすっかり出きってしまった空虚の船の中は洞穴のようにがらんとしていた...
横光利一 「旅愁」
...恐ろしい空虚の底へ崩れ込んでゆくやうに思はれた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...仏像や菩薩像は多くの不自然と空虚の感じを与える...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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