...木の葉一枚微動するものはなく...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...胸から腰のまわりへかけて肌を犇(ひし)と緊めつけた衣の下にはしなやかな筋肉の微動するのが見えて居る...
谷崎潤一郎 「少年」
...微動する自然の耳語(じご)を気付かない人である...
中野秀人 「第四階級の文学」
...天鵞毛(びろうど)を欺(あざむ)くほどの滑(なめ)らかな満身の毛は春の光りを反射して風なきにむらむらと微動するごとくに思われる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...調子は夕闇の草むらで微動する...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...地下の世界において微動するものを感應することにより...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...日光が微動する水の上にたゆたっている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...微動する日光の波が...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...毎日少しづつ微動する齲齒を半年かかつて...
室生犀星 「渚」
...お杉の倒れた背中のひくひく微動するのを眺めていた...
横光利一 「上海」
...反耶の銅の剣(つるぎ)に戯れる鳩(はと)の頭のように微動するのが映っていた...
横光利一 「日輪」
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