...それは一面にスレヱトの屋根や煉瓦の壁の落ち重なつた中に藜(あかざ)の伸びてゐるだけだつた...
芥川龍之介 「ピアノ」
...のみならず大小さまざまの譜本もかすかに色づいた藜の中に桃色...
芥川龍之介 「ピアノ」
...あの藜の中にあるピアノは...
芥川龍之介 「ピアノ」
...わたしは只藜の中の弓なりのピアノに目を注いだ...
芥川龍之介 「ピアノ」
...藜(あかざ)の軸を見る...
高浜虚子 「六百句」
...藜(あかざ)の葉をもって花見堂のような仮りのお堂をしつらえ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それで駒形堂をまた藜堂とも称(とな)えます...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...藜(あかざ)の杖をついて伴蔵といっしょに新三郎の家(うち)へ往った...
田中貢太郎 「円朝の牡丹燈籠」
...小供の背丈(せだ)けほどもある昼間見ると藜(あかざ)のような草と粟粒(あわつぶ)のような微紅(うすあか)い実をつけた草がぎっしり生えた住宅地の入口に...
田中貢太郎 「女の怪異」
...終日尋春不見春 杖藜踏破幾重雲帰来拭把梅花看 春在枝頭已十分その梅はもう盛りをすぎたけれど...
種田山頭火 「三八九雑記」
...雪のしたから浜菜や藜(あかざ)をほってくる...
久生十蘭 「海豹島」
...貝原益軒(かいばらえきけん)の『日本釈名(にほんしゃくみょう)』には「藜(アカザ)...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その著『本草綱目(ほんぞうこうもく)』蓬草子の条下でいうには「其飛蓬ハ乃チ藜蒿ノ類...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...天(てん)の句は佐野が宿鉈(なた)ふるふべき藜(あかざ)かな 徴羽郎といふのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...民家に藜蘆(りろ)(棕櫚草)を栽(うう)るもの数軒を見る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...藜蘆を植うる俗の如きも...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...麻の道服を纏(まと)い手に藜(あかざ)の杖を持った一人の老翁...
吉川英治 「剣難女難」
...藜の杖を横一文字に...
吉川英治 「剣難女難」
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