...古びて薄黒くなつてゐて...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...薄黒(うすぐろ)い影(かげ)を落(おと)して...
泉鏡太郎 「一席話」
...薄黒く曇った空の下にどれもどれも同じように雑木(ぞうき)の繁った山ばかり...
伊藤左千夫 「廃める」
...形は綺麗だが薄黒い土のやうな色をした貝がある...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...二日と経つと不思議なことに隅の方に真黒い灰のような煤のような軽いものが溜って籠の中は段々薄黒くなる...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...薄黒く冴えてきた...
豊島与志雄 「裸木」
...薄黒く重なり合っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...あるひは夜の河水(かわみず)の青きが上に空の一面に薄黒(うすくろ)く...
永井荷風 「江戸芸術論」
...爪の裏が垢(あか)で薄黒く三日月形に見える...
夏目漱石 「琴のそら音」
...なるほど火屋(ほや)が薄黒く燻(くす)ぶっていた...
夏目漱石 「道草」
...孟宗竹(もうそうちく)が薄黒く空の色を乱す上に...
夏目漱石 「門」
...貪婪(どんらん)で執拗で薄黒くて不気味なくせに...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...あの薄黒い丸藥の法書が?」「それにしても不愍(ふびん)な人間だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄黒い、銀色に光る高い土堤のようなものが、白い泡をふきながら、二町ほどの幅でおしよせてくる...
久生十蘭 「手紙」
...薄黒い町の屋根は...
水野葉舟 「帰途」
...小形で体細く薄黒く川を游ぐものをしばしば見た...
南方熊楠 「十二支考」
...問題中にはないけれども玉子を長く湯煮(ゆで)ると黄身の周囲(まわり)が薄黒いような色になるね...
村井弦斎 「食道楽」
...谷底の川の表面は氷の解けた流れだけ薄黒く沈んだ色を残し...
横光利一 「旅愁」
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