...ぎらぎらと凄まじい薄紫(うすむらさき)になった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...薄紫(うすむらさき)...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「絵のない絵本」
...右方に立った娘の薄紫地のものと対象させることにしたくらいより変更しなかった...
上村松園 「画道と女性」
...夜空に虹のように懸っている薄紫の光の橋を見たそうである...
海野十三 「地球発狂事件」
...寒々と彼方に屹立する富士の姿をなよやかな薄紫の腰のあたりまでひッたりとぼかしこむ...
大阪圭吉 「闖入者」
...女たちはまた淡紅やピンク、薄紫、純白、色とりどりの柔らかな、肌も露な、羅衣(うすもの)を纏(まと)うて、やはり素足にサンダルを穿いて、裳裾(もすそ)は長く地に曳(ひ)いていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...薄紫の葡萄(ぶどう)の模様のあるモスリンの単衣を纏(まと)って...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...薄紫のや靄のかかったのや...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...大洋の果てに薄紫の濛靄(もや)が煙(けぶ)るころ...
徳田秋声 「縮図」
...薄紫の飾りひもある白縮紗(クレープ)の帽子の下にちらと見ゆる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...部屋の空気が薄紫に淀んだと思ったのも束の間で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...平次は暫らく薄紫色の煙をなつかしむ風情です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄紫の小さい痣があるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...中国山脈も湾口に臨む一塊の都市も薄紫の朧である...
原民喜 「壊滅の序曲」
...あちこちの街角から涌きあがる温泉の煙りが駘蕩として薄紫色の山々を撫でゝゐた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...躑躅も薄紫のもちつつじ...
柳田国男 「故郷七十年」
...流れにあらいだされた薄紫色の根が水の中へ美しく差伸ばされているのが見える...
山本周五郎 「お繁」
...樹の梢も薄紫の色を含み...
横光利一 「旅愁」
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