...薄紫の衣裳(イイシャン)に...
芥川龍之介 「上海游記」
...窓障子の紙の色が黒みがゝつた薄紫になつた...
有島武郎 「半日」
...岩手山は薄紫に※(ぼ)けて...
石川啄木 「鳥影」
...薄紫に畳を染めて...
泉鏡花 「婦系図」
...薄紫色に大体は癒着(ゆちゃく)しているように見えながら...
徳田秋声 「仮装人物」
...薄紫地の絽(ろ)の長い服を着た商人らしい支那人が葉巻を啣(くわ)えながら小舟に乗って父をたずねに来た...
永井荷風 「十九の秋」
...薄紫色の絹地に白い紙が貼られ...
中島敦 「狼疾記」
...地平線近いところは薄紫を帯びていた...
中谷宇吉郎 「荒野の冬」
...後を顧(かえり)みてかの薄紫の貴女及びその妹の事とその門構付(もんがまえつき)の家を想像し...
夏目漱石 「倫敦消息」
...平次は暫らく薄紫色の煙をなつかしむ風情です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前の口からお雪の右の顎の下に小さい薄紫の痣があると聴いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...光に照らされて明るい薄紫に見えた...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...半島が絵のやうに薄紫に煙つて居りました...
牧野信一 「初夏」
...あちこちの街角から涌きあがる温泉の煙りが駘蕩として薄紫色の山々を撫でゝゐた...
牧野信一 「タンタレスの春」
...赤き薄赤き紫なる薄紫なる...
正岡子規 「花枕」
...躑躅も薄紫のもちつつじ...
柳田国男 「故郷七十年」
...所々に薄紫で形の菊ににた花が低く咲いている...
柳田国男 「雪国の春」
...瞼のあたりが薄紫に変じている...
吉川英治 「私本太平記」
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