...此処(ここ)でも彼は薄倖(はくかう)である...
芥川龍之介 「点心」
...『新著百種』について憶出(おもいだ)されるは薄倖(はっこう)の作家北村三唖(きたむらさんあ)である...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...また明治の数奇伝中の薄倖なる奇才であった...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...一度は元嘉の薄倖詩人鮑照(はうせう)と一緒に...
薄田泣菫 「独楽園」
...この薄倖な詩人は...
薄田泣菫 「独楽園」
...われは薄倖兒(はくかうじ)...
高山樗牛 「清見寺の鐘聲」
...薄倖な児童の家庭を訪問させたのである...
戸坂潤 「社会時評」
...傷ましき時代が産みたる薄倖(はっこう)の詩人がいにしえの名所を弔(とむら)う最後の中(うち)の最後の声たらしめよ...
永井荷風 「すみだ川」
...骨董屋は兄妹の頼る者もない薄倖につけ込み...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一七九五年にタンプルの悲惨な環境で薄倖な最期をとげたのだろうという意見に傾き...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...あの薄倖(ふしあはせ)なお母さんの菩提のためぢやよ!……」カテリーナは立ちどまつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...薄倖(ふしあはせ)なあたしのお母さんなどを引合に出して...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...あの薄倖(ふしあはせ)な水死女の魂の安息のために祈るだらうから!やがて彼はくだんの小家へ近よつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...しかしその薄倖の人は彼と知つてからまもなく病歿したのである...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...関東節薄倖酒乱の天才小金井太郎の一家が何と落魄最中の私をたよつて寄食して来た...
正岡容 「滝野川貧寒」
...結局は自身の薄倖(はっこう)を悲しむ明石であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...玉鬘は源氏に持たれる恋心を自身の薄倖(はっこう)の現われであると思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それにしても、義理の助剣に、不自由な足を引摺る彼の兄重蔵と、薄倖な千浪とは、いつまで、この頼み甲斐ない人情の浮世小路に、侘(わび)しい尺八を吹き流さねばならぬのだろう...
吉川英治 「剣難女難」
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