...書を名山に蔵する底(てい)の事は...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...何という潜勢力を蔵する太古の威厳であろう! なんたる吸引的な死潮の魅魔であろう! 何かしら新しい宗教の発祥地として運命づけられていなければならないこのサイマ湖! 末梢神経的な現今の都会文化はここへ来て木(こ)っ葉(ぱ)微塵だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...いつ頃から太閤に対して逆心を蔵するようになったか...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...火山が蔵する影のうちには...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「あの傑作はわしの方で大事に所蔵するだらう...
長與善郎 「青銅の基督」
...長河(ちょうが)の鰐魚(がくぎょ)を蔵する所...
夏目漱石 「虞美人草」
...兄の所蔵する作曲集をことごとく筆写してしまった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...我輩の蔵する元禄年間の五人組帳前書は僅に二十三箇条に過ぎぬが...
穂積陳重 「法窓夜話」
...出来るものならいかなる食物でも調理し貯蔵する事実から見ると...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...予が蔵する二、三の梵語彙を通覧するに、後者は猴の梵名マルカタと分るが摩斯らしい猴の梵名は一向見えぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...徳(めぐむ)さんの蔵する一枚の色紙がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」徳さんの蔵する文書に徴するに...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...此書は富士川氏の蔵する所である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...希覯(きこう)の書数千巻を蔵するに至候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...生活上のすべての学芸や習慣をも包蔵するものなり(キケロ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...メダレ以前の食塩は製し方が粗末で「にがり」が多くこれを貯蔵することが容易でなかった...
柳田國男 「食料名彙」
...その貯蔵する古金銀を...
山本周五郎 「山彦乙女」
...制令を出して農家が武器を蓄蔵することを禁じ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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