...――だから蓑虫は黙っているのだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
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高浜虚子 「五百句」
...蓑虫(みのむし)のように頭ばかり出したその人俵(ひとだわら)の胴中(どうなか)をびしびしと叩(たた)いた...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...昼寝のあとを庭で蓑虫(みのむし)を退治していた老人は...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
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種田山頭火 「行乞記」
...・霧雨のしつとりと松も私も茨がもう咲いてゐる濁つた水・ふつたりやんだりあざみのはなだらけ・あやめあざやかな水をのまうなにがなしラヂオに雑音のまじるさへ・晴れさうな水が湧いてゐる・うごいて蓑虫だつたよやうやく晴れてきた桐の花・いちじくの葉かげがあるおべんたうを持つてゐる五月十八日雨...
種田山頭火 「行乞記」
...蓑虫がぶらりとさがつてゐる、蓑虫よ、殼の中は平安だらう、人間の私は虫のお前をうらやむよ...
種田山頭火 「其中日記」
...なかよく・ほんにしづかな草の生えては咲く・ひらかうとする花がのぞいた草の中から・芽ぶいて若葉して蓑虫は動かない・いちはやく石垣の茨は咲いた校長さんのお宅声をそろへて雨がほしい青蛙はうたふ・打つ手を感じ逃げてゆく蚊の...
種田山頭火 「其中日記」
...寒がりの私は土鼠のやうに火燵にもぐりこんでゐる(抱壺君はベツドで頭だけ出して蓑虫みたいださうな)...
種田山頭火 「其中日記」
...軒からぶらりと蓑虫の秋風虫の方が幸福です...
種田山頭火 「其中日記」
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種田山頭火 「草木塔」
...楠の蓑虫駆除にかかり...
豊島与志雄 「立札」
...父も見ず世を蓑虫の母も見ぬ子の亡骸を擁して松濤寒き影に眠るぞうたて世や...
中谷宇吉郎 「『団栗』のことなど」
...蓑虫のようにグルグル巻きにされた一人の女が...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...朝になったら百叩きにして放してやろう」蓑虫(みのむし)のようにグルグル巻にされたのを見すますと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
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山之口貘 「山之口貘詩集」
...蓑虫(みのむし)のように出てこない敵には手の下しようもなく...
吉川英治 「三国志」
...――汝は蓑虫(みのむし)の性か...
吉川英治 「三国志」
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