...町並が葱畑(ねぎばたけ)に移る近くにあつた...
芥川龍之介 「秋」
...眼に滲(し)むごとき葱の(におい)が実際田中君の鼻を打った...
芥川龍之介 「葱」
...例の牛と豚の挽肉に玉葱やパン屑をまぜた料理...
石川欣一 「比島投降記」
...葱一束二銭也(この葱はよくなかつた)...
種田山頭火 「行乞記」
...夕食の用意に貧弱な玉葱などを細かく裂いている者も多くいたし...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...葱鮪(ねぎま)で一杯(ぺえ)てえとこだ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...「おやそんぢや俺(お)ら家(ぢ)でも葱(ねぎ)の少(すこ)しもあげあんせう」南(みなみ)の女房(にようばう)はいつて桑畑(くはばたけ)の小徑(こみち)を小走(こばし)りに駈(か)けて行(い)つた...
長塚節 「土」
...江戸の空は淺葱(あさぎ)色に燻じて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...林と田圃と葱畑(ねぎばたけ)と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...みぢめにも飢ゑた心が腐つた葱や肉のにほひを嗅いで涙をながした...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...小女が台所で玉葱(たまねぎ)を油でいためている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...函から喰み出た玉葱があたりに漾つてゐた...
原民喜 「夏の花」
...玉葱をあしらった野鴨がぐつぐつと音をたてて……」この調子では...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...今のブリスケを湯煮た汁がありますからその汁三合へ塩で味を付けて今のお米と人参(にんじん)や玉葱(たまねぎ)の小さく刻んだのと一緒に入れて御飯のように炊(た)きます...
村井弦斎 「食道楽」
...別の鍋へ例の通りバターを溶かしてメリケン粉を焦(こ)げるようによくいためてまた玉葱(たまねぎ)の刻んだのを一つその中でいためて狐色にして今湯煮た汁を一合と赤葡萄酒(あかぶどうしゅ)を一合注(さ)して塩胡椒で味をつけて...
村井弦斎 「食道楽」
...第三十 牛肉飯は牛肉を細かく切り別に葱(ねぎ)の細い処を細かく切ってともに桜飯へ混ぜて炊きます...
村井弦斎 「食道楽」
...葱(ねぎ)を切(きっ)ても人参(にんじん)や大根を切ても頭と尾(しっぽ)の捨てるような部分を掃溜(はきだめ)へ捨てないでスープの中へ入れる...
村井弦斎 「食道楽」
...自分は浅葱(あさぎ)の袍(ほう)を着ていねばならないのをつらく思うふうですからね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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