...屡侍女の耳などを削いでは玉葱と一しよに食ふさうである...
芥川龍之介 「結婚難並びに恋愛難」
...生葱(なまねぎ)を刻んで捏(こ)ね...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...手拭も葱も御飯も凍つた...
種田山頭火 「行乞記」
...昼御飯としては葱汁!野菜デーだつた...
種田山頭火 「其中日記」
...酒によき 630葱と新たの蜂蜜と*聖なる麥の粉とを入る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...葱(ねぎ)のような野菜が作ってあった...
徳田秋声 「縮図」
...母が、葱(ねぎ)と、大根との風呂敷包をもって、私が、弟を負うたり、その反対だったり――それから、それが、だんだん慣れてくると、私が一人で買出しに行ったり、弟を背負うて、母を連れずに行ったり――思春期前の少年だから、平気で「この頭おくれ」と、出汁にする鰻の頭を一皿買ったり、牛肉屋が顔馴染になったので「味噌まけといてや」と味噌を、余分に入れさせたり――そして、多分、私が弟を背負って、そうして、大抵毎日買って歩いているのが商人達に、記憶されたらしく、それから又、憐れまれたらしく――私等兄弟より外に十歳位で、そんな所へ、惣菜(そうざい)を買いに行く奴はいなかったらしく「まけといたるで」と、鰻屋が、八幡巻(やわたまき)を一本添えてくれた事があるし、牛肉屋が「葱もおまけや」と、添え物の葱を一つかみくれた事もあった...
直木三十五 「死までを語る」
...此の日突然東京の街頭に曽て仏蘭西で見馴れたような浅葱の労働服(ブルーズ)をつけた職工の行列を目にして...
永井荷風 「花火」
...八一本の浅葱桜(あさぎざくら)が夕暮を庭に曇る...
夏目漱石 「虞美人草」
......
野口雨情 「沙上の夢」
...葱(ねぎ)の青さ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...玉葱のやうに光つた膝小僧が出てゐた...
林芙美子 「瀑布」
...私の拾った玉葱も...
原民喜 「原爆回想」
...その時分から爺やはまめにその家のまわりの空地に豆だの胡瓜(きゅうり)だの葱(ねぎ)だのの畑を作っていましたが...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...無茶先生はその玉葱を庖丁でサクリと二つに割って...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...少しは葱臭くても好い...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...外(そと)も内(うち)も浅葱(あさぎ)の色に明るし...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...その門前の庖丁屋(はうちよや)の浅葱(あさぎ)納簾(のれん)の間(あひだ)から光る刄物(はもの)のかなしさか...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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