...どてらを着込んで落着きなくきょろきょろして坐った...
梅崎春生 「風宴」
...暑中休暇の来るまで笹村は落着き悪い二階の四畳半に閉じ籠っていたが...
徳田秋声 「黴」
...また落着きもなく勝手の方へ来て...
徳田秋声 「黴」
...ろくろく仕事も手につかぬほど気分に落着きがなかった...
徳田秋声 「爛」
...次第に心の落着き場所を失ってきた...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...そして落着き払っていた...
豊島与志雄 「非情の愛」
...落着きたい心持でいっぱいなのよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...落着き拂つてやるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いかにも聖徒(せいと)らしく落着き拂つて私を神さまへお委(まか)せして了ふだらう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...とにかく播磨から出た人で、関東に落着き、正式に播磨屋と名乗ったのは、私の知っているところではこの岡田君の家だけであった...
柳田国男 「故郷七十年」
...扉を締めるとそこは壁と壁との間に隠れこんだような秘密的な落着きが得られる...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...落着きすました笑い声だ...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...彼もかなりな落着きと本気を示していた...
吉川英治 「三国志」
...何か落着きを欠き...
吉川英治 「私本太平記」
...落着きが見え出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...落着きはらった主人の姿をその咄嗟(とっさ)に見たので...
吉川英治 「親鸞」
...『まだここに盗み残されている俺というからだだけがある……』窮乏(きゅうぼう)もこうまでになると――これより下には落ちようはないという――肚のきまった自嘲が彼を落着き払わせていた...
吉川英治 「人間山水図巻」
...いつもの落着きに返って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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