...すつかり冬仕度が出來た落着きがそこら一面にある...
千家元麿 「自分は見た」
...滝の川でともかくも落着きを確めたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...強(し)いてわれともがいてその火を揉み消そうなんぞとしない落着きを見ても...
中里介山 「大菩薩峠」
...斉に落着き大夫(たいふ)国氏(こくし)の娘を娶(めと)って二児を挙げるに及んで...
中島敦 「牛人」
...何となく落着き兼ねた中老人を捕まえて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...越前屋も何となく落着きを取戻して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...本当に恐れ入ります」「とんだ災難だね」なんとなく落着きを失った主人に案内されて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日頃の落着きを失っているらしい店の者や近所の衆をかきわけて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...悠々として落着き拂つてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お前はどうも落着きがないよ」「あなたは裁判所の人たちと付き合っているんですね?」と...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...どうしたというわけなの」安は案外な落着きかたで...
久生十蘭 「野萩」
...私も落着きますから...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...とにかく播磨から出た人で、関東に落着き、正式に播磨屋と名乗ったのは、私の知っているところではこの岡田君の家だけであった...
柳田国男 「故郷七十年」
...お蝶が顔もあげないで落着き澄ましているさまに...
吉川英治 「江戸三国志」
...しきりに帰りをうながす張飛の声をうしろに、玄徳は、落着きこんで、茶をすすりながら、「孔明先生には、よく六韜(りくとう)を諳(そら)んじ、三略に通ずと、かねがね伺っていますが、日々、兵書をお読みですか」などと雑談を向け始めた...
吉川英治 「三国志」
...舟の上に落着き直して...
吉川英治 「新書太閤記」
...古風な落着きであり...
吉川英治 「随筆 新平家」
...呼びに来た父の使いへ、「はい」と、頷(うなず)いてからも、なお、落着きこんで、鏡に向っていた...
吉川英治 「源頼朝」
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