...自分は敷島(しきしま)を啣(くは)へて、まだ仏頂面(ぶつちやうづら)をしてゐたが、やはりこの絵を見てゐると、落着きのある、朗(ほがらか)な好(い)い心もちになつて来た...
芥川龍之介 「京都日記」
...どてらを着込んで落着きなくきょろきょろして坐った...
梅崎春生 「風宴」
...落着きというものが無い...
太宰治 「未帰還の友に」
...――あの部屋が落着きがいいもんですから...
徳田秋声 「仮装人物」
...落着きのいい色彩から推すことができた...
徳田秋声 「黴」
...それでも建物が比較的落着きのいいのと木や石のかなりに入っている庭の寂(さび)のあるのが...
徳田秋声 「黴」
...大自然と同様に落着き払っていた...
豊島与志雄 「山吹の花」
...この声で大尽の落着きが乱れて来るようであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...小憎らしい落着きを弁信の方に見せ...
中里介山 「大菩薩峠」
...平次はいつもになく落着き歸つて杯を擧げ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此方(こっち)へお通し申すんだ」平次は八五郎の眼の色の変ってるのを見てわざと落着き払って居るのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何となく恐れおののくような様子――動作と話振りとにおけるかなりの神経質な熱情――落着きのない興奮した態度に...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...これ程仰山な真剣勝負を行はぬと何うしても爽かな落着きが得られなくなつたとなると...
牧野信一 「読書と生活」
...観賞の態度には落着きがあり...
牧野信一 「浪曼的時評」
...女の物ごしの落着きに気をくじかれてか...
山川方夫 「菊」
...彼もかなりな落着きと本気を示していた...
吉川英治 「三国志」
...百戦の老巧らしい落着きを失わずに訓(おし)えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...落着き切った語調で彼女の暴風のような不安をなだめていた...
吉川英治 「平の将門」
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