...しかし彼に与へられたものは畢竟落寞とした孤独だつた...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...この故に落寞たる人生を十分に享楽する為には...
芥川龍之介 「僻見」
...『岸の山吹咲き亂れ』とか『汀の櫻散り敷きて』とか『青柳絲を亂し』とかある晩春初夏の景色は此落寞たる雪の中で固より想像することは出來ぬ...
高濱虚子 「俳諧師」
...広巳の眼の前には落寞(らくばく)とした世界がひろがっていた...
田中貢太郎 「春心」
...これで懐はまた秋風落寞...
種田山頭火 「行乞記」
...落寞(らくばく)たる冷たいこの部屋の中が温かい住心地のよい所に思われた...
寺田寅彦 「病中記」
...落寞とした気持になる...
豊島与志雄 「生活について」
...秋の部門(かど)を出て故人に逢(あ)ひぬ秋の暮秋風落寞(らくばく)...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...句のモチーヴである秋風(しゅうふう)落寞(らくばく)の強い詩的感銘が弱って来る...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...地図の上は落寞とした秋であった...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...落寞とした空間に...
久生十蘭 「蝶の絵」
...トンネルのやうにガラン洞で、落寞としてゐる、いやこれは生れつきだ、此奴親父をきつかけにして、いろんな風に媚びたり甘えたりしてゐるに違ひない...
牧野信一 「蝉」
...見るから無慘な落寞たる物情である...
三島霜川 「解剖室」
...落寞たるものを感じ勝ちだろう...
宮本百合子 「おのずから低きに」
...内心落寞たる気持を覚えるのは...
三好達治 「銀座街頭」
...落寞を感じるだらう...
吉川英治 「折々の記」
...落寞(らくばく)として...
吉川英治 「剣の四君子」
...落寞(らくばく)たる夜風がふたりを払ってゆく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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