...残雪がまだ消えやらず化粧柳の若芽が真紅に萌え立つ頃には宿の庭先に兎が子供を連れて遊びに来たり...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...(五月×日)なまぐさい風が吹く緑が萌え立つ夜明のしらしらとした往来が石油色に光っている森閑とした五月の朝...
林芙美子 「新版 放浪記」
...早くも梅雨上りの若芽萌え立つ今日の日はめぐり来りぬ...
夢野久作 「白くれない」
...野原とも云ひたいこの廣大な溪谷にももく/\とした若葉の呼吸が萌え立つてゐるのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...あたりには遲い蕨などが萌え立つて居り...
若山牧水 「梅雨紀行」
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