...莟(つぼみ)の数は分らねども...
泉鏡花 「悪獣篇」
...真紅な莟(つぼみ)が消えるように...
泉鏡花 「遺稿」
...口の莟(つぼみ)が動いたと思うと...
泉鏡花 「婦系図」
...すらすらと莟(つぼみ)なす白い素足で渡って...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...うらわかき莟の花の血を染めて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...莟の多くは刻々にそのふくらみをゆるませ...
薄田泣菫 「独楽園」
...立ちならぶ辛夷(こぶし)の莟行く如し昭和八年三月三十日 七宝会...
高浜虚子 「五百句」
...其莟を隱してゐた二枚の葉は三枚の花瓣の爲に忽ち壓伏される...
高濱虚子 「俳諧師」
...岩かゞみ草などがちらほら眼につく、莟はまだ堅い、いろ/\の小鳥がほがらかにさえづつてゐる、しづかな木立、きよらかな水音、くづれた炭焼小屋、ふきのとう、わらび、雑木の芽、落葉松の若葉はこまやかに、白樺の肌は白うかゞやく...
種田山頭火 「旅日記」
...この花は昼間はみんな莟(つぼ)んでいる...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...二分どほり透明な黄色い莟(つぼみ)を綻(ほころ)ばせて...
徳田秋声 「花が咲く」
...さうして博勞の娘はつやゝかな著莪の葉へ干した染糸で刺繍つた莟でなければならぬ...
長塚節 「佐渡が島」
...花の莟(つぼみ)のやうな可愛らしい娘ですよ」「俺の言ふあの娘は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その小さな茂みはまだ硬(かた)い小さな莟(つぼみ)を一ぱいにつけながら...
堀辰雄 「美しい村」
...例の野薔薇(のばら)の莟(つぼみ)の大きさや数を調べながら...
堀辰雄 「美しい村」
...やっとさっき見つけた白い莟を手もとにたぐりよせた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...あちらにもこちらにも白や黄や淡紫の小さな莟(つぼみ)がもう今にも咲き出しそうになっていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
......
三好達治 「短歌集 日まはり」
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