...ダラダラ坂の荷揚場を...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...勤勉な朝となった時には彼等は静かな町の荷揚場や橋の上に人間でも家畜でも一々指さす事が出来た...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...荒布(あらぬの)の前掛を締めた荷揚の人足が水に臨んだ倉の戸口に蹲踞(しゃが)んで凉んでいると...
永井荷風 「夏の町」
...さうして荷揚機械のばうぜんとしてゐる海角からいろいろさまざまな生物意識が消えて行つた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...唐物屋は――小売店の唐物屋は、舶来化粧品から雑貨類すべてを揃えて、西洋小間物雑貨商などのだが、問屋はその他、金巾(かなきん)やフランネルの布地(きれじ)も主(おも)であり、その頃の、どの店でも見ない、大きな、木箱に、ハガネのベルトをした太鋲(ふとびょう)のうってある、火の番小屋ほどもあるかと思われる容積の荷箱が運びこまれて、棟の高い納屋を広く持ち、空函(あきばこ)をあつかう箱屋までがあって、早くから瓦斯(ガス)やアーク燈を、荷揚げ、荷おろしの広場に紫っぽく輝かしたりした...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...仲仕をして石炭荷揚げをなさしめた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...出る船、入る船、積荷、荷揚げ...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...荷揚げの唄のように何ともいえず...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...そのときは蔵前で荷揚げ人足をしていた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...お米蔵の荷揚げなど...
山本周五郎 「さぶ」
...自分には土方か荷揚げ人足ぐらいしかできないし...
山本周五郎 「さぶ」
...もう荷揚げの支度にとりかかるものもあった...
横光利一 「旅愁」
...まだ荷揚げがつづいて忙しそうだった...
横光利一 「旅愁」
...荷揚場(ば)の苦力(クリイ)や弥次馬に取巻かれて車上の柚木君が青くなつたのは早速(さつそく)船内で発行する「※田パツク」第二集の好材料となるであらうが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...港内の左右には幾十の荷揚場(ば)が列(つらな)り...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...大小の汽船が煙を吐いて荷揚人足や荷車の行交(ゆきか)ふ忙(せは)しい港街の光景に久し振(ぶり)に接する心地も悪くない...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ふと橋の下から掛けて左右に荷揚場(ば)の石だたみが広く河に突き出て造られてあるのに気が附いて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...荷揚げの船がついて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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