...へたへたと草むらの中にくずれるように倒れ...
海野十三 「骸骨館」
...草むらを分けてそろそろと正吉の方へ近づいた...
海野十三 「三十年後の世界」
...草むらの中を、はうようにして進んでいたのは、けだものではなくて、少年探偵団員だったのです...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...すぐそばの草むらにかくれていた...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...」博士は、おかしそうに、ひとりごとをいって、草むらのなかを、むこうの大きなたてもののほうへ、はっていきました...
江戸川乱歩 「探偵少年」
...それは半ばは小野宮の邸の築地に傍ひ半ばは草むらになつてゐるところについて曲つて行つた...
田山花袋 「道綱の母」
...此方(こなた)は生きたる心地もなく繁(しげ)りし草むらの間にもぐり込み...
永井荷風 「榎物語」
...ひと振りして無雑作に周平のいる草むらへ投げこむと...
久生十蘭 「春の山」
...あたかも医者病人にむかいて、土より生れて、草むらをはい、血なくして、家を背負うもの*をとりて食えと教えるがごとし(キケロ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...細いヤナギの草むらの中に...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...その草むらにとまっている玉虫や羽根のすけてみえるかげろうを織りこんでみたら...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...だらだら下がりになっている草むらが...
吉川英治 「江戸三国志」
...芝の小山や草むらはあつても...
吉川英治 「折々の記」
...治郎吉の眼は、まだ落着かずに、そんなものにまで、気をくばりながら、草むらへ、手拭を敷いて、両膝を抱えこんだ...
吉川英治 「治郎吉格子」
...あたりの草むらや樹蔭をなお入念に見まわしながら...
吉川英治 「親鸞」
...そこらの草むらを...
吉川英治 「宮本武蔵」
...左樣なら!』よくさう聲に出して言ひながら私はその古草鞋を道ばたの草むらの中に捨てる...
若山牧水 「樹木とその葉」
...うす日さす梅雨の晴間に鳴く虫の澄みぬる声は庭に起れり雨雲のひくくわたりて庭さきの草むら青み夏むしの鳴くなどを覚えてゐるのみである...
若山牧水 「なまけ者と雨」
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