...わたしは非常に亢奮して何と言っていいやら「あ...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...あの駅の前の気持は一時の露悪的な亢奮(こうふん)じゃないのか...
梅崎春生 「蜆」
...妙に亢揚(こうよう)した息使いで各々足の先で湯の中を探って廻った...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...「何だか貴方の亢奮して被仰(おつしや)る事は不自然で...
長與善郎 「青銅の基督」
...殺すわけなんかあるものか」少し疳(かん)が亢(たか)ぶっている様子でキリキリと美しい眉を釣上げながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...双方ともひどく亢奮しているようでした...
浜尾四郎 「死者の権利」
...さういふ音樂的なへんな亢奮をしきりに振り落さうとして...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...たたきつけてやら……」と妹も飯櫃を叩いて亢奮した...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...雪子のは全くの抽象的神経から蔭で何うかするとそんな亢奮を洩すだけのことで...
牧野信一 「熱い風」
...さういふ形で極度に亢奮したのを見ると彼の心は全く白々しくほぐれてゐた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...それから魚見櫓に駆け戻って亢奮(こうふん)状態がやや収ってから...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...亢奮した滝本の眼から涙が滾れてゐるのを見て...
牧野信一 「南風譜」
...何んなもんです!」と亢奮の金切声をあげて舅は卓子をドンと叩いた...
牧野信一 「円卓子での話」
...僕の亢奮と歓喜と戦慄の奥底を揺がせたものを一言にして言ひ換へるならば...
牧野信一 「ユリイカ・独言」
...ふざけてゐるどころか滝尾の様子は息苦しさうにさへ見へる程亢奮の眼を輝やかせて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...どこか亢奮した調子であった...
宮本百合子 「明るい海浜」
...嬉しく素敵なことか!「ああ雨が降ってる!」と心に叫ぶ時のわくわくする亢奮を...
宮本百合子 「雨と子供」
...長の亢奮につれて予の胸に湧上って来た...
山本周五郎 「青べか日記」
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