...その亢奮が心の底で逃亡という言葉と結びついたのは何時だろう...
梅崎春生 「日の果て」
...彼は自分の亢奮(こうふん)してくるのを殊更(ことさら)に抑えようと努めている風に見えた...
海野十三 「宇宙尖兵」
...妙に亢揚(こうよう)した息使いで各々足の先で湯の中を探って廻った...
海野十三 「電気風呂の怪死事件」
...その上近頃は疳(かん)が亢(たか)ぶつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なんだか亢奮(こうふん)しているような顔のおおい外人達の間に雑(まざ)りながら...
堀辰雄 「木の十字架」
...そして亢奮の絶頂から脚を踏み滑らせて...
牧野信一 「歌へる日まで」
...それに類する大きな亢奮をしてゐたが...
牧野信一 「鏡地獄」
...手前エこそ俺の顔に……」父の激亢の声が...
牧野信一 「鏡地獄」
...彼は却つて不思議な亢奮に襲はれた...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...」彼は亢奮して、容易に弘雄を離さうともしなかつた...
牧野信一 「サクラの花びら」
...七郎の声の面白さに亢奮して...
牧野信一 「ゾイラス」
...亢奮と間の悪るさの遣り場がなくなつて...
牧野信一 「毒気」
...何か文芸といふものに対する逞ましい亢奮が一層募つて来るのを覚えました...
牧野信一 「浪曼的月評」
...いくらか亢奮もしているのだ...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...ウワバミ元気のこと――「ウワバニン」の注射のために百合子は亢奮状態におかれて結果がよくなかった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...――先日来の為事の片がついたので軽い快い亢奮(こうふん)で寝られない...
山本周五郎 「青べか日記」
...オテル・ド・ロンの鉄門が見え出すと妾は佐野の亢奮し...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...足が前に出ぬ程の亢奮を感じていたのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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