...あの駅の前の気持は一時の露悪的な亢奮(こうふん)じゃないのか...
梅崎春生 「蜆」
...内心の亢奮を包み切れずか絶えず小刻(こきざみ)に顫えていた...
大阪圭吉 「闖入者」
...内心の亢奮を押隠すかの様な口調で静かに言った...
大阪圭吉 「花束の虫」
...斯うした言葉が時によるとみのるの感情を亢ぶらせずにはおかない事があつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...そうです」と彼はやや亢奮(こうふん)して白い壁紙を張りつめた上についている黒い飛沫(ひまつ)を指さしながら...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...異常な亢奮を感じた...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...妙に亢奮して来るのであつた...
牧野信一 「熱い風」
...」いつになく藤吉の声は亢奮に震えてゐて...
牧野信一 「淡雪」
...あまりの亢奮の極自分は上向態にもんどりを打つて池の上に転落したのである……...
牧野信一 「鬼の門」
...」「素てッペンから転ばり落ッこちる! も実にうまいね……ハッハッハッ」などゝ、凡そ他の誰にもこれ程な面白味は感ぜられまい、それだけに自分達は……それ程の心で、異様に亢奮して、笑ひこけ、同じ言葉を何遍も繰り返した...
牧野信一 「環魚洞風景」
...次第に亢奮を覚へて来て...
牧野信一 「〔小林秀雄氏への公開状〕」
...亢奮した滝本の眼から涙が滾れてゐるのを見て...
牧野信一 「南風譜」
...寧(むし)ろ忌々(いま/\)しいといふ氣が亢じて來る...
三島霜川 「平民の娘」
...これは――」という亢奮した良人の声を聞いた...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...互の声と激亢に煽られて急造の机を履み倒したり...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...十一ばかりであった私は夢中に亢奮して...
宮本百合子 「きのうときょう」
...父上を奥へお置きしては亢奮していけまいと母さんは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分の心にある都会の景色が甦って大分亢奮してね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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