...クジラが茫洋とした海を泳いでいる...
...彼女の目には茫洋とした不安が浮かんでいる...
...茫洋とした世界に足を踏み入れる勇気が必要だ...
...あの草原は広大で、ひたすら茫洋としている...
...茫洋とした未来に向けて、光明を掴むためにも努力を続けよう...
...*描写は茫洋(ぼうよう)として大海の如きものであれ...
高浜虚子 「俳句への道」
...ただ薄みどり色の茫洋乎たる大空洞の片隅に...
太宰治 「お伽草紙」
...茫洋(ぼうよう)とした大きなもの...
太宰治 「鴎」
...茫洋(ぼうよう)として寄るべなく...
太宰治 「パンドラの匣」
...どちらを向いても初心の私には茫洋としてゐて...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...名の記憶は茫洋に帰してしまったが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ゆつくり孤独を愉(たの)しんでゐるやうな茫洋(ばうやう)とした風貌(ふうばう)をして...
林芙美子 「浮雲」
...茫洋たる音楽のみどりに触れあう はるかな蜃気楼の奥深くかれは眠るあふれる香髪(においがみ)のみだれ巻いて溺れるあたりとおく水平線の波間にさ青の太陽は溶けこむ...
原口統三 「初期詩篇」
...あとはまた茫洋(ぼうよう)としたヨシの草野であった...
本庄陸男 「石狩川」
...あかるい陽の下で見るこの見とおしも利(き)かない茫洋(ぼうよう)とした野山はどうしたものであろう...
本庄陸男 「石狩川」
...夜明けの来る東の方は茫洋(ぼうよう)たる平原であった...
本庄陸男 「石狩川」
...茫洋(ぼうよう)とした海の上に五六日を暮して...
本庄陸男 「石狩川」
...限りも測り難いような茫洋(ぼうよう)と大いなるものになってしまったか...
柳田国男 「木綿以前の事」
...茫洋たる前の代に向かおうとするのが自然である...
柳田国男 「雪国の春」
...あの茫洋とした深く澄んだ目つきになる...
山川方夫 「博士の目」
...彼の茫洋たる性情にしても...
吉川英治 「私本太平記」
...こう対していても、べつに人を圧する威厳があるわけでもなく、いっかな無口で、茫洋としていて、彼にはつかみどころがなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...つねに茫洋(ぼうよう)と見える彼だった...
吉川英治 「私本太平記」
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