...お民はもう「稼ぎ病」に夜も日も明けない若後家ではなかつた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...それで始めは「若後家だ...
上村松園 「わが母を語る」
...若後家(わかごけ)の入夫となって先夫の子を守育て...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...三のとしにはもう若後家(わかごけ)になっていたのでござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...そういう老人たちがお遊さんをああいう風に気随にさせておくのは若後家という境遇をきのどくにおもってできるだけさびしさをわすれるようにさせようという慈(いつく)しみから出ているので...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...「天野ガ地面ニイルウチモ、トカク地主ノ後家ガコトデ、六ツカシイコトバカリ云ッテ困ッタカラ、三年メニ同町ノ山口鉄五郎ガ地面ヘ家作ガ有ルカラ引越シタガ、コノ鉄五郎ガ惣領ハ元ヨリ心易(こころやす)カッタガ、イロイロウチヲカブッタ時ニ世話ヲ焼イテヤッタ故、ソノバア様ガゼヒ地面ヘ来イトイウカラ行ッタ、コノ年勤メノ外ニハ諸道具ノ売買ヲシテ内職ニシタガ、初メハ損バカリシテ居ルウチ、段々慣レテ来テ金ヲ取ッタ、ハジメハ一月半バカリノウチニ五六十両損ヲシタガ、毎晩毎晩、道具屋ノ市ニ出タカラ、随分トクガ附イタ、何シロ、早ク御勤入リヲシヨウト思ッタ故、方々カセイデ歩イテイタウチニ――」神尾がニタリと笑って、天野の後家という奴が曲者だな、若後家になって、男ぐるいをはじめて、相当小吉をてこずらしたように書いてあるが、小吉の奴も相当のイカモノのくせに、こいつをこなせなかったというのはないもんだ、だが相性が違ったんだろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...若後家といふよりは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若後家というよりは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若後家が階下(した)の居間に引きさがったのち...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...栗色の髪の毛がマドンナのような可哀(かわい)らしい顔を囲んでいる若後家である...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...それは六つも年上の若後家の前だからでございましたのね...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...楡葉は若後家であった...
吉川英治 「剣の四君子」
...日野俊基(としもと)の美しい若後家...
吉川英治 「私本太平記」
...かつてのような濡れ濡れしい若後家の尼とはおのずから落ちつきも違っていた...
吉川英治 「私本太平記」
...それから間もなく、二人の遺子と、若後家とを、この六条の家にひき取ったが、自分にそれだけの生活力がにわかに増したわけではないので、範綱は、院のお手当の他(ほか)に、何か収入を計らなければならなかった...
吉川英治 「親鸞」
...弟の遺(のこ)した二人の幼子(おさなご)や若後家の将来(ゆくすえ)などを思えば...
吉川英治 「親鸞」
...二年ともたたないうちに良人を亡くした若後家の君である...
吉川英治 「平の将門」
...挿花(はな)の師匠の若後家と聞けばすぐ知れますよ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
ランダム例文:
行くところまで行った 叛臣 採石場
便利!手書き漢字入力検索