...二人がてんでんに切符を出そうとする時、「若奥様、これをお忘れになりました」といいながら、羽被(はっぴ)の紺の香(にお)いの高くするさっきの車夫が、薄い大柄(おおがら)なセルの膝掛(ひざか)けを肩にかけたままあわてたように追いかけて来て、オリーヴ色の絹ハンケチに包んだ小さな物を渡そうとした...
有島武郎 「或る女」
...青年の前で「若奥様」と呼ばれたのと...
有島武郎 「或る女」
...こりゃ御新姐(ごしんぞ)……じゃあねえね――若奥様...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...若奥様は折敷いたままで...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...)と若奥様が頭(かぶり)を掉(ふ)ります...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...私(わっし)と云うものは……若奥様には内証だが...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...若奥様が、島田のお髪(ぐし)、お振袖と承りましたから、私(わたくし)どもは、余計そのお姿のお目立ち遊ばすように、皆して、かように申合せましたのでございます...
泉鏡花 「海神別荘」
...麗(やさ)しい若奥様...
海野十三 「流線間諜」
...地味な若奥様となって家庭の奥へ引込んでしまった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鷺娘」
...「アノ……大奥様……若奥様が...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...ようく若奥様にそう仰(おっ)しゃるがええだ! さあ早う拝まっしゃれ拝まっしゃれ! なんぼか若奥様はなあ! 坊さまを待ち兼ねていらっしゃっただかのう!」と独言(ひとりごと)のように呟きながら腰を延し延し立ち上って...
橘外男 「逗子物語」
...若奥様と呼ばれていた日野涼子と坊っちゃんとの三人が...
橘外男 「逗子物語」
...「これは若奥様のお植えになったものでございます」老人はまた墓の盛り土へ指をさした...
田中貢太郎 「愛卿伝」
...二十二三のお嬢様か若奥様向きだって云ってたんだが」「そんな...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ソンナコト」「颯子ガ聞イタラ笑ウダロウナ」「若奥様ダッテ御存知ナイコトガアルモンデスカ」五日...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...ソレガ一層「若奥様」ヲ増長サセル結果ニナッタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...そうでなければ若奥様といったようなお方で...
中里介山 「大菩薩峠」
...下郎(げろう)を召し連れた若奥様かお嬢様か――というふうな権式だけを取って...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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