...土産(みやげ)はただはち切れさうに熟した葡萄の一と籠――この粒立(つぶだ)つた葡萄の實にお鳥の張り詰めた血の若々しさを偲びつつ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...加之(しかのみ)ならず『浮雲』の若々しさに引換えて極めて老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...そうして今の水々しさも若々しさも...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...可愛い溜息を洩らすほどの若々しさもなく...
種田山頭火 「鎖ペンを握って」
...続いてその身が東京に修業に行ったおりの若々しさが憶(おも)い出される...
田山花袋 「一兵卒」
...それはその態度や声にはまだ昔の若々しさが残っているけれども...
田山花袋 「日本橋附近」
...のんびりした若々しさが彼等の顔をはち切れるように肥らせて...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...若々しさと鋭さに緊張した顔容と話しぶりであった...
寺田寅彦 「備忘録」
...四十が来ても四十一が来ても別に心持の若々しさを失わないのみならず肉体の方でもこれと云って衰頽(すいたい)の兆候らしいものは認めないつもりでいた...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...いかにも若々しさを見せて居る...
戸川秋骨 「道學先生の旅」
...好みの若々しさが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...長い垂れ髪は匂うばかりの若々しさで...
久生十蘭 「無月物語」
...そんな朽木(くちき)が蕾(つぼみ)の忍冬(すゐかつら)にその朽目を若々しさで蔽へと命ずる何の權利があらう?」「あなたは朽木ではありませんわ――雷に打たれた木ではありませんわ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...位の高さにはつりあわぬ若々しさは保存されていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また若々しさでおいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...女も笑って生き残っている若々しさの仲間なので...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...やはり同じ若々しさを求めたけれど...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...自分などよりもよほど若々しさがあると思った...
和辻哲郎 「寺田さんに最後に逢った時」
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