...成程一本のマッチの火は海松(みる)ふさや心太艸(てんぐさ)の散らかった中にさまざまの貝殻を照らし出していた...
芥川龍之介 「蜃気楼」
...さうして又北側の壁には明月禅師(めいげつぜんじ)の無絃琴(むげんきん)と云ふ艸書(さうしよ)の横物(よこもの)が...
芥川龍之介 「漱石山房の秋」
...三 芭蕉の衣鉢芭蕉の衣鉢(いはつ)は詩的には丈艸などにも伝はつてゐる...
芥川龍之介 「続芭蕉雑記」
...僕の批評に序文をつける為にとりあへずこの文章を艸(さう)することにした...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...神は今日野に在て明日炉に投入れらるる艸(くさ)をもかくよそわせ給えばまして爾らをやああ信仰うすき者よ...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...腰(こし)より烟艸(たばこいれ)をいだして烟(たばこ)を吹(のみ)などするゆゑ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...艸々...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...藤実(ふじざね)艸宇(そうう)招宴...
高浜虚子 「六百句」
...果(はて)は広い野原の艸(くさ)にかくれて見えなくなっております...
夢野久作 「ルルとミミ」
...覺むれば、雨降り出でぬ、近くは嫩艸、三笠、遠くは志貴、葛城の山々、かしここゝの聚落、煙雨に裹まれて、興福寺の五重塔、猿澤池、一しほ優なるながめなり、几帳をへだてゝ坐睡したる女を見るがごとし、強ちに我が寢惚て見し故のみにはあらず...
内藤湖南 「寧樂」
...三艸子(みさこ)の妹もうつくしい人であったが...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...軒の下艸(したぐさ)に集(すだ)く虫の音(ね)のみ独り高く聞える...
二葉亭四迷 「浮雲」
...やかましい!言艸(いいぐさ)云わずと...
二葉亭四迷 「浮雲」
...しかるに艸冠(くさかんむり)をつけての字を書く人あり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...病的な浮世繪や草艸紙の美人の弱々しさを嫌ふ現代の油繪畫家も喜ぶ姿態かもしれない...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...読み難いのは茶山の艸体である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ソプラノ、明治音楽学園講師、昭英音楽学校講師、若艸会主宰...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...艸(くさ)一本も眼に入らぬ...
夢野久作 「白髪小僧」
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