...郵便も来ない日のつくつくぼうし・風が雨となる案山子を肩に出かける・電線とほく山ふかく越えてゆく青葉・竹の葉のすなほにそよぐこゝろを見つめる昼ふかく虫なく草の枯れやうとして・てふてふもつれつつかげひなた(楠)・風鈴しきり鳴る誰か来るやうな九月十一日秋晴...
種田山頭火 「其中日記」
...案山子いかめしく...
種田山頭火 「松山日記」
...畑の中の案山子なんかより...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...小鳥はその案山子(かかし)になれ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...とかく何かと山子仕事を考えずにいられないたちの叔父は...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...燈を挑げて出でゝ見れば旧友葵山子の訪来れるなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...唖子湖山子の周旋にて毎夕新聞社に入りしといふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...夜清元会にて図らず葵山子に逢ふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...帝国劇塲廊下にて葵山子に逢ふ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...案山子(かゝし)の代りに八五郎を頼んで來たと言へば濟む――」平次はさう言ひ乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身体は前のめりに案山子のやうに引きずり込まれたかと思ふと...
牧野信一 「冬物語」
...茲においてか寿山子の花柳詩こそは柳多留正調の伝統を忠実に継承普及するものとして脱帽礼拝するに価しよう...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...眼前に闇よりもひときわ黒く釣(つ)られたる案山子(かかし)は焼け焦(こが)らされし死骸のごとく...
宮崎湖処子 「空屋」
...麻畑の案山子(かかし)くらいにしか考えません...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...鳴子(なるこ)を馬鹿にした群雀(むらすずめ)が案山子(かかし)の周囲(まわり)を飛び廻ッて...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...用の終った案山子がいつ迄も...
柳田国男 「年中行事覚書」
...林羅山(はやしらざん)や平山子龍なども...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...それに上衣(うわぎ)を着せ帽子を被(かぶ)せた案山子(かかし)であった...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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