...案山子(かかし)のつづれも錦(にしき)の直垂(ひたたれ)...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...こんな立派な案山子があるもんか...
江戸川乱歩 「鬼」
...山子の実は甘酸(あまず)っぱい味がして...
谷譲次 「踊る地平線」
...題簽を御書き下された青山子爵御母堂樣...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...すっかり人間味を失った単なる儀礼の案山子にすぎなくなった...
豊島与志雄 「失策記」
...平山子龍の邸から出てくるのを見たというが...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...酒飲まぬ人は案山子の雪見哉と返して...
永井荷風 「雪の日」
...案山子はなきか――あるまい馬嘶くか――嘶きもしまいたゞたゞ青色の月の光のノメランとするまゝに従順なのは春の日の夕暮かポトホトと臘涙に野の中の伽藍は赤く荷馬車の車...
中原中也 「春の夕暮」
...案山子のやうに立つてゐた...
牧野信一 「鏡地獄」
...しかれどもこれと同時に予の好みし句にはよつひくは勇なり放たぬは仁なり智の一つ足らでをかしき案山子(かかし)かな 楽翁の如きあり...
正岡子規 「俳句の初歩」
...眼前に闇よりもひときわ黒く釣(つ)られたる案山子(かかし)は焼け焦(こが)らされし死骸のごとく...
宮崎湖処子 「空屋」
...いわゆる山田の案山子の蓑(みの)着て笠着てただつっ立っているものを...
柳田国男 「年中行事覚書」
...後にはただ案山子の人形ばかりをいうようになった土地も出来たものかと思う...
柳田国男 「年中行事覚書」
...信州ではこれを案山子祭の日にしていたのである...
柳田国男 「年中行事覚書」
...靈山子片想ふちも高臺もない...
吉川英治 「折々の記」
...靈山子の書のはうが...
吉川英治 「折々の記」
...さる人の携へて來た靈山子の...
吉川英治 「折々の記」
...「突けば倒れる案山子(かかし)」と...
吉川英治 「新書太閤記」
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