...それよりや案山子(かかし)代りに...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...山子の実は甘酸(あまず)っぱい味がして...
谷譲次 「踊る地平線」
...椋鳥がさわがしい・また一人となり秋ふかむみち・この里のさみしさは枯れてゐる稲の穂・案山子向きあうてゐるひさ/″\の雨・案山子も私も草の葉もよい雨がふる明けるより負子を負うて秋雨の野へひとりあるけば山の水音よろし・よい雨ふつた朝の挨拶もすずしく一歩づつあらはれてくる朝の山・ぐつすりと寝た朝の山が秋の山々秋の山へまつしぐらな自動車で改作追加あるくほどに山ははや萩もおしまい九月二十日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...痩せこけた案山子たち 貧民をさす...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...「案山子とは何だ、案山子とは……...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...鳴子(なるこ)や案山子(かかし)の立っている辺(あたり)から折々ぱっと小鳥の飛立つごとに...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...風に吹かれる案山子(かかし)のように...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...案山子(かかし)の代りに八五郎を頼んで来たと言えば済む――」平次はそう言いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
......
槇本楠郎 「赤い旗」
...かの未亡人を思うにつけ坊野寿山子が川柳の巧さよ...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...義太夫の芸者のような太りかたついでに今少しく寿山子の花柳吟をあげようか...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...私はまだ案山子の問題には一向手を着けておらぬ...
柳田国男 「年中行事覚書」
...いわゆる山田の案山子の蓑(みの)着て笠着てただつっ立っているものを...
柳田国男 「年中行事覚書」
...あんなにまで能のないお奉行もめずらしい」「山田の案山子(かかし)――だと皮肉った落首なぞも貼(は)られているが...
吉川英治 「大岡越前」
...云つてみれば寒山子か拾得子のやうである...
吉川英治 「折々の記」
...靈山子のことに就ては...
吉川英治 「折々の記」
...爲に、靈山子を、白隱、仙、一茶、良寛など、いろいろな風趣裡の古人になぞらへる人もあるが、なるほど、かれの畫は禪畫ともいへるし、俳畫ともいへるし、見方により、興趣の汲み方により、人さま/″\に味得できやうが、要するにやはり近代の生んだ一畫人として、決して古人に擬せなければ説けないやうな類型の畫ではない...
吉川英治 「折々の記」
...「博士」は多くの場合に対世間的な根の浅い名声の案山子(かかし)である...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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