...英吉のその舌の根を留めようと急(あせ)ったが...
泉鏡花 「婦系図」
...「その可愛い舌の根をとめてやるのさ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...そこへゆくと私はどういふわけか舌の根に苦味をおぼえて圧しつけられるやうな気もちになるのであつた...
中勘助 「銀の匙」
...居並ぶ人の舌の根のしどろに緩(ゆる)む時...
夏目漱石 「幻影の盾」
...無だと舌の根で念じた...
夏目漱石 「夢十夜」
...さわやかに動く舌の根はどうも素人育(しろうとそだ)ちではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今に其舌の根ッ子オ引ン抜いてやるから待ってろヨ...
羽志主水 「監獄部屋」
...その虚榮心はどこから生まれるかといへば舌の根元に小さな腫物があるからで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...舌の根を針で突き刺したいような衝動に駆られた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その舌の根の乾かぬ先きに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...とか、尤(もっと)もらしい顔をして、蔭口を吐いていた、いわゆる、通人の連中も、いつとはなしに軟化してしまって、昨日の舌の根を、今日は、どう乾かしたものか、――いやもう、かの役、至極絶妙、極上々吉、歌舞伎道、創(はじ)まっての逸品(いっぴん)とでも申しましょうか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...うぬ等の舌の根がまだ乾かねえのに! い...
三好十郎 「斬られの仙太」
...今その舌の根を引き抜いてやる……客人...
吉川英治 「剣難女難」
...「その舌の根を動かして見やがれ...
吉川英治 「剣難女難」
...無用の舌の根をうごかさずと...
吉川英治 「三国志」
...引き寄せて討つには持ってこいの天嶮だ」「丞相は大いに勝てとは命ぜられませんでした」「みだりに舌の根をうごかすのはよして貰いたい...
吉川英治 「三国志」
...舌の根もうわの空に...
吉川英治 「新書太閤記」
...せつなに、口も渇(かわ)き、舌の根ももつれ、なにをさけんだか、あとでは自分でもわからない――というのが、後々、一騎当千なつわものと呼ばれるようになった人々にしても、正直に述懐(じゅっかい)するところである...
吉川英治 「新書太閤記」
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