...膾でやろう」「それでは料理をしようか」舟の火は何時(いつ)の間にか消えてしまった...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...最も人口に膾炙(かいしゃ)している...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...夕飯(茄子、さゝげ豆、胡瓜膾、沢庵漬)朝食(味噌汁、沢庵漬)木賃 三十銭・まうへに陽がある道ながし・おもひでは暑い河原の石をふみ七月三十一日沿道を行乞しながら一時舟橋通過、四時大道到着、もう歩きつゞける元気もなくなつて汽車に乗る、四辻も束の間、すぐ小郡だ、やれ/\戻つてきました...
種田山頭火 「行乞記」
...能く歴史的豪傑と雁行して人口に膾炙することが出來るのである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...漢土(かんど)には白雨を詠じたる詩にして人口に膾炙するもの東坡(とうば)が望湖楼酔書を始め唐(とう)韓(かんあく)が夏夜雨(かやのあめ)...
永井荷風 「夕立」
...日頃大達者(おおだっしゃ)と立てられてその名前は家々の守護神の様に人の口に膾炙(かいしゃ)している大紳商...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...「え――ッ」膾(なます)になれと斬りかかります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...膾(なます)のようになってこと切れ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...膾(なます)になっても生作(いきづく)りのピチピチとした生(いき)の好いものでなければならないと...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...例へば人口に膾炙する次の句參看...
波多野精一 「時と永遠」
...畜生!膾(なます)に刻んでやる!と台察児(タイチャル)...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...人口に膾炙されてゐるが...
正岡容 「大正東京錦絵」
...この句は人口(じんこう)に膾炙(かいしゃ)する句なれども俗気多くして俳句とはいふべからず...
正岡子規 「俳諧大要」
...「今朝のお汁の鳥はものかは」「何処(いずこ)にも飽かぬは鰈(かれい)の膾(なます)にて」「これなる皿は誉(ほ)める人なし」とは面白く作ったものだ...
南方熊楠 「十二支考」
...つぎの諺はつねに人口に膾炙(かいしゃ)している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...すぐ人口に膾炙(かいしゃ)し...
吉川英治 「私本太平記」
...およそ人口に膾炙(かいしゃ)されているところだ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...この二人が英雄として人口に膾炙したのは...
和辻哲郎 「鎖国」
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