...自分は茲に繰返して人口に膾炙せるトルストイの手紙の一節を引用する――「我等は相互に求め合ひて行く可きではない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く国粋主義は代る代るに武士道や報徳講や祖先崇拝や神社崇敬を復興鼓吹した...
内田魯庵 「四十年前」
...義家の詠歌最も人口に膾炙す...
大町桂月 「白河の關」
...鮒(ふな)の子膾(なます)...
近松秋江 「黒髪」
...吾人(ごじん)はその文の既に人口に膾炙(かいしゃ)したるに拘らず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...人口に膾炙(くわいしや)する...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...形影(けいえい)自(みずか)ら相(あい)憐(あわれ)む〕とはこれ人口に膾炙(かいしゃ)する唐詩なり...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...漢土(かんど)には白雨を詠じたる詩にして人口に膾炙するもの東坡(とうば)が望湖楼酔書を始め唐(とう)韓(かんあく)が夏夜雨(かやのあめ)...
永井荷風 「夕立」
...鬼を膾(まなす)で食うような豪傑ばかり集まっているのかと思っていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...死ぬものだぞ!」全身膾(なます)のごとくに切り刻まれて...
中島敦 「弟子」
...顔が膾(なます)の様になったそうである...
夏目漱石 「それから」
...秦の始皇が不老の藥を求めた話はもうあまりに人口に膾炙してゐるが...
南部修太郎 「阿片の味」
...三人共膾(なます)にしてやる」ギラリ引拔いた一刀...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...膾(なます)にしてやる」抜身を構えて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人口に膾炙するシュライエルマッヘルの言は...
波多野精一 「時と永遠」
...これより以北は支那でいふ荒服の地同樣に目せられて居つたことは今日に傳はつて居る數多の文學其中にても卑近な例を擧ぐれば能因法師の作として人口に膾炙して居る「都をば霞と共に立ちしかど」の歌...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...人肝を膾にするなり...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...膾斬(なますぎ)りに叩ッ斬ってくれるから」と戟や剣をひしめかした...
吉川英治 「三国志」
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